君までの距離 ♯２

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凛「ちょ！A、バレちゃうよ！！」



凛に腕を引かれ椅子に座る




『ごめん、つい。笑』



ベンチもざわざわしてて思わず2人で伏せる





凛は小声で「けど、わかるよ」って笑いかけてくれた





そして、静かにバッターボックスをもう一度見た







＿＿カキーンッ




『えっ、嘘っ…！！』






まるで、私の声が届いた様に




卓ちゃんは綺麗に右中間へのタイムリーヒット




足が速い卓ちゃんは二塁まで到達







凛「本当に打った…なんか凄いね」





『うん……』






この距離で本当に声が届いたのか、それともまぐれなのか






とにかく、卓ちゃんがヒットを打った事
すごくすごく嬉しかった





ベース上でベンチにガッツポーズをする卓ちゃんは凄く輝いてた





それから皆続いてこの回一気に3点入れていた






攻撃が終了して、守備につく皆が一斉にベンチ前に並んでいた









凛「ねぇ、なんか皆こっち見てない？」





『伏せよ！！！』





咄嗟に前の人で見えない様にまた顔を伏せた








遥「やっぱ、気のせいやったんすかね？」




首を傾げながら、客席を見る遥輝








拳「いや、俺も聞こえた！たしかにAの声！なぁ？卓」





卓「居る。絶対居るけん。だから、打てた」





姿は見えないけど、確かにそれは俺の大事な人の声
わからない訳がない






試合は順調に進んで、ファイターズは見事勝利を飾った









『凛！そろそろ行こっか！』



凛「そうだねっ！」





香山さんとの待ち合わせ場所に向かう為、私達は球場を出た









香「ごめんごめんっ！！お待たせっ！」




小走りでこちらへ来る香山さん






『いえ！全然待って無いんで！！』




香「もうタクシー来るはずだから！」




少し３人で雑談しているとタクシーがやって来た








香「じゃあ、行こっか！」





お願いしまーすとタクシーに乗り込む








『あっ！！トイレにポーチ忘れた…』






凛「えー。早く取りに行っておいで！」





急いで近くのトイレに戻る






『あったあった』






ポーチを持ってトイレを出た瞬間、遠くの方で騒ついてる気がした






無意識にジーっとその声のする方を見る








『……卓ちゃん！？』









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続編へ移行したいと思います！


皆さまのコメント読ませて頂いております！
凄く励みになってます。今後ともどうぞよろしくお願いしますm(__)m

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