君までの距離 ♯２

episode〆97 ページ47

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自分のロッカーの前に立ち、均等に並べられたハンガーや物たち





俺がこう言うの気になるって知ってんのはAしか居らん






これ、絶対Aやんって









剛「うわっ、これ絶対Aさんっすよ！」




みんなも辺りをキョロキョロしながら、自分のロッカーも確認する








遥「ちょっ、俺行ってくる！！」






拳「行ってくるって、遥輝！どこに！」





拳士さんの声は聞こえとったけど、無視した



とにかくこの球場のどこかに居るはずや









＿＿ドンッ





遥「痛っ、すんませんっ！って、卓さん」





ぶつかった相手は卓さんだった








卓「遥輝どうしたと？走ったら危ないけん」




遥「Aっす！！Aが居るんっす！」





卓「何言うてるん？」






卓さんは冷静な表情で「そんな訳無いやろ」と返した









遥「ちゃうんっす、ロッカー。ロッカー見に行って下さい！じゃあ！」





卓さんに手を振って俺はまた走り出した









卓「は？ロッカー？」






遥輝の言葉が気になって、俺はロッカールームへ向かう事にした








＿＿ガチャ




拳「おいっ！！卓っ！！！大変！」




扉を開けた瞬間、みんながこちらを見た







ロッカールームを見回した


その光景は、なんだか懐かしく思えた









卓「遥輝が言うてた事って」





拳「遥輝に会った？そう、多分これAじゃない？」





思い当たる節が沢山ありすぎて、自分のロッカーの前へ行った








卓「これ……」






綺麗になってるグローブをまず見た



桐島は、ここまで気が遣えない









卓「ほんまに、居るんか？……ん？これって。絶対そうやわ」




俺のロッカーに置いてあった物



それを掴み取った









卓「おい、皆上の棚見てみ。これ」






拳「あーっ！！！Aちゃんのキャンディー！！」






そこには、棒付きのキャンディーが各選手のロッカーに置かれていた








卓「こんなんもうAしか居らんけん」




その飴を握り締めて俺も遥輝の後を追った









卓「遥輝っ！！！！」





まだあまり遠くに行っていない遥輝に追いついた








遥「卓さん、見ました？ロッカー」





卓「見た。で、これ。」





俺は握り締めていたキャンディーを遥輝に見せた









遥「それ、確実っすね」





遥輝はニッと笑い、「じゃあ、探しましょ」と言って俺たちはAの姿を求めて走り出した









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