君までの距離 ♯２

episode〆73 ページ23

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通話が終了した画面を見つめる




やっぱりあんなの見ちゃったら、簡単に前みたいに接する事が出来なかった







『私、こんなに嫉妬するんだ…笑』






自分の独占欲の強さにビックリする





想いもろくに伝えれなくて、勝手にイライラして






桐島さんと浮気してる訳でも無いのに、不安がって





挙げ句の果てには、素っ気ない態度を取って最終的には逃げる









『勝手だな、私』




トボトボと宿泊するホテルへ向かう事にした








＿＿ロッカールーム




拳「香山ちゃん、怒ってたよね…」





亮「Aさんも見ないし、なんかこれってヤバい感じすか？」





近「なんで、怒ってんの。香山さんまで明里ちゃんに妬いてる？」




ニヤニヤする近ちゃん







剛「女心はわかんないっすわ〜」





じゃあ、お疲れ様でーすと言ってゾロゾロと出ていく選手達








遥「卓さん、行かないんすか？」





まだ着替えも済ませていない卓也に遥輝は問いかけた







卓「電話してから行くけん。先、行って」






遥「了解っす。お先です」




遥輝はロッカールームを出て行った









卓「さすがに、１日顔見ないのはキツい」





久しぶりの同級生との再会に少しAを放置し過ぎたなって反省





スマホを取って、電話履歴からAの文字をタップする








卓「出やんかな…」




いつもより長いコール音に少し不安になった








『もっ、もしもし…』




受話器越しに聞こえる愛おしい声


けど、なんかちょっと元気ない？







卓「あ、A。やっと、声聞けた」




１日会わないだけで、久しぶりと感じる声



俺、本当重症なくらいAが好きなんやと思った








『どうしたの』





素っ気ない返事やけど、自分の気持ちを素直に伝えた








卓「今日会ってないから、A不足。」




今すぐ会いたくて。
受話器越しなんか物足りやんくて。






言い方はシンプルかもしれんけど、これが俺なりの精一杯の伝え方





きっと、Aも会いたいって言ってくれるはず









卓「なんか、元気無い？今どこ」




『もう、ホテルだよ。じゃあ、私もうお風呂入るね』




って電話を切られた


ツーっツーっと虚しくなる機械音






卓「…え、切られた？」





会いたい気持ちは虚しく


俺はただ自惚れてただけ？






会えるって思ってたのに






君が冷たいと思ったのは気のせいなのだろうか＿＿








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