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宮近side
黒澤くんが出たのを見計らってみんなは口を開いた。
中村「ねえ、いきなり新メンバーってなんで？」
吉澤「………俺らの実力が足りなかったとか？」
宮近「そういうことじゃないと思うよ。きっと何か事情があっ___」
中村「じゃあその事情ってなんだよ」
宮近 「それは…」
松田 「おいうみやめろ。ここで何か言ったって変わんねぇだろ。このままじゃ俺らがバラバラになる」
中村「〜っ！……それは分かってるけどさあ、」
宮近「今のは俺も悪かった、安易なこと言ったね。ごめん」
中村「……ゃ、違くて、」
川島 「とにかく！一旦家帰って頭冷やそう。明日も撮影で早いし」
混乱してるのはみんな同じようだった。
だからこそ俺は、冷静にいないと。
レイside
その日の夜、2件のメッセージが入った。
一つがテストについての詳細。
事務所のレッスン室使用可……
暗号のような内容を読み解きながら、段ボールの奥にある動きやすい服を取り出して家を出る。
そして私は公園へ向かった。
メンバーでもない人間が事務所のレッスン室を使うなんて私が許せなかった。
まあどっちみち、この格好で事務所には行けない。
風呂に入った後で、ウィッグで隠してた髪も露わになって、今はどこからどう見ても女の子。
私には公園が合っていたということ。
ちなみにメッセージのもう一件はさら姉からで、
さら〈A！レイの時はあくまで男の子なんだから、口調に気を付けなさい！
とのこと。
ウィッグにしろ口調にしろ、男の子になるための苦労多くない？
ただ、そんなこんな言ってる場合じゃない。
イヤホンを差し、音楽を流す。
中村「絶対無理」
………否定されて聞き分けるほどプライドは低くない。
絶対認めさせて見せる。
よっしゃ！
気合を入れて体に叩き込んだ。
あっという間に過ぎて行った数日間。
今日も朝から公園に行き、体を慣らしてから皆さんの元へ向かう。
髪の毛を帽子に入れていたおかげで、少し頭が痒い。
でも風呂に入る時間も惜しい。
こっからウィッグを被るとか、きつ……
そうこうしているうちに事務所に到着。
続々とメンバーの皆さんも集まって、いざ本番。
練習の成果を発揮する時がきた。
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作者名：羊 | 作成日時：2024年1月17日 20時
