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いやいや、カイトなんて名前の人は沢山いる。
メンバーにも3人いるわけで。
気にしない、気にしない……
？「いいよな〜アイドルは」
？「な、俺らはなりたくてもなれねぇもん笑」
？「そんなことないよ笑」
アイドル、カイトという言葉で思わず振り向いた。
彼と目があう。
そこにいたのは、プライベートな姿であったが、確かにアイドルでTravisJapanの宮近海斗だった。
心臓が大きく音を立てる。
いや、大丈夫。
今はAだ、レイじゃない。
そう思って心を落ち着かせる。
宮近「……」
海斗に笑顔で会釈された。
カフェでもキラキラアイドルかよ。
私のことファンだと思ったのか？
その後すぐさら姉は戻って来て。
2人とも食べ終わり、お店を出る時には彼らの姿はなかった。
1日が終わる前にある場所へ向かう。
元はと言えばそれが目的で今日は街に出ていた。
着いたところは美容院。
私は今日、黒澤レイになるために、髪を切る。
美容師 「髪色変える？」
さら ｢いや、染めたことの無い綺麗な黒髪は残しましょう」
ここはさら姉が昔勤めていた所。
通りで美容師さんとの連携が素晴らしい。
私は、手の出しずらいカバーを着せられ、てるてる坊主状態。
カバーをパタパタしてたらさら姉に怒られた。
髪に櫛が通され、次第にハサミの擦れる音が聞こえ始める。
パラパラと髪が落ちる。
数時間後。
おへそぐらいまであった髪は地面に落ちて、全体的にスッキリしていた。
さら「やっぱAは顔が整ってるからショートにしたらイケメンね。
どっちも憎いぐらい似合ってるわよ！」
『んふふ笑、ありがとうさら姉』
さら「いいえ〜笑」
『私ってやっぱ、ロングもショートも似合っちゃうんだな』
さら「あ、ちょっとうるさいわね」
髪を切った所で、ウィッグと見た目が変わる訳じゃないが、
私なりに黒澤レイとして生きる覚悟が出来るってもの。
そんくらい覚悟が必要な仕事だって、ここ数ヶ月で分かったから。
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作者名：羊 | 作成日時：2024年1月17日 20時
