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中村side
？「海人！」
ある日の帰り道。
中村 「はぁ、何？...…海斗」
宮近 「お！よくわかったね」
中村 「そりゃな」
長年一緒にいる仲だ。
声くらい簡単に分かる。
中村 「どした？」
宮近 「ちょっと付き合ってよ」
着いたのはレッスン室。
なんとなく海斗の考えは分かった。
舐めんなよって話。
俺は海斗に付き合ってあげた。
だから、心行くまで踊った。
全てをぶつけて、全てをリセットするように。
海斗はそんな俺に合わせて踊ってた。
すごく気持ち良かった。
でも時間が過ぎるのは早くて、既に何時間が過ぎようとしていた。
宮近 「海人、どう？」
とても優しい声だった。
中村 「....…」
少し黙ったあと、海斗になら....…と、本音を話した。
中村 「俺、あいつのことまだ認められない」
宮近 「うん」
中村 「でも本当は羨ましいだけかもしれない」
宮近 「うん」
中村 「俺はここまで来るのに色々なことを犠牲にしてきた。
大事な時間をさいて、苦しいことも悲しいことも全て乗り越えて、やっとここまで来た。
だからこそ得られたものは大きいし、メンバーが本当に大切だと思える。
なのにあいつは、……一瞬で全員の心を掴んで、いつの間にか俺と同じ位置に立ってた」
宮近「うん」
中村「だから、……だから、……悔しかった……のかなぁ」
宮近「んー、海人は素直になれないだけじゃない？
きっと心の中では、レイのこと認めてる。
素直になるタイミングを逃しただけ」
タイミング……
俺の中で、何かがストンと落ちた。
中村「……うん、そうかも笑」
海斗はそっか、と笑っていった。
宮近「まあ、心配してたけど、案外大丈夫そうじゃん笑。
レイだって、きっと海人が心開いてくれるの待ってるよ」
中村「俺初っ端結構酷いこと言ったけど笑」
宮近「それはレイもお互い様だから笑」
中村「確かに、そっか笑」
やっぱり海斗には敵わない。
海斗は俺の1番の理解者だ。
ありがとな、海斗。
小っ恥ずかしくてそんなこと言えないけど、
宮近「...ん？」
中村「ううん、何でもない笑」
宮近「なんだよ笑」
何となく届いてる気がして。
俺は黒澤と、いやレイとしっかり向き合おうと思う。
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作者名：羊 | 作成日時：2024年1月17日 20時
