12 ページ13
.
宮近 「ん？黒澤くんどうかした？」
『あ………いや……』
あれがない……
宮近 「あ！もしかしてこれ？」
差し出された腕時計。
私の大切なもの。
宮近 「ごめんごめん。忘れてた」
『いやいや、大丈夫です。ありがとうございます。
でも俺この腕時計、着けてませんでした？』
宮近 「ああ、黒澤くんずっと握りしめてたみたいで、さっき先生に渡されたんだよ」
『そうだったんだ...…』
七五三掛 「……俺その腕時計、どっかで見たことある気がする」
『え！？本当ですか？』
七五三掛「う、うん。どこだったか覚えてないけど...…」
『そう...…ですよね...…』
松倉「気になるの？」
『は、はい。実はこれ……』
プルルル！プルルル！
川島「あ、ごめん俺だ」
川島さんの電話はマネージャーから。
川島「次の仕事があるからそろそろ……って」
宮近「そうだね、こんな時間だし」
松倉「えー。せっかく話聞けると思ったのにー」
川島 「しょうがないでしょ。また今度。黒澤くんはしっかり休んで」
『はい』
病室は再び静まり返った。
翌日。
退院の許可が降り、メンバーと集まった。
七五三掛「ねえ、黒澤くんの呼び方どうする？」
みんなに問う七五三掛さん。
どうする？って
『名字呼びでいいかと思いますが……』
松田「いや、ダメに決まってるでしょ。なんならその敬語もダメ」
わあ、全否定……
川島「そうだね、メンバーになるんだし、敬語は距離感じるな……」
なんだろ、この会った時から感じてた、川島さんの有無を言わせない感じ。
『そ、そうです……そうだよね！なんて呼んだらいい？』
やべ、つい川島さんの圧で敬語が出てしまった。
元太「じゃあレイ、俺の事は元太って呼んで！」
おお、もう名前呼びされてる……
『おう！元太よろしく』
元太「うん！よろしく〜」
七五三掛「俺はしめでいいよー」
閑也「え！あんなに先輩後輩厳しかったしめが……」
七五三掛「いいんだよ！別に。……レイはメンバーなんだから」
元太「フーー！」
七五三掛「2人ともうるさい」
『あはは...しめ、よろしく』
七五三掛「ちょっと怖がってんじゃん」
『冗談笑。よろしくしめ』
七五三掛「よろしく！」
一瞬目が怖かったとは、言わない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羊 | 作成日時：2024年1月17日 20時
