偶然の必然【平成跳】【短編集】

獣の瞳 ページ22

yb「それでは続いてのニュースです」

　

渡された原稿を今まで通りに読んでいく



…こっちは面白くない日常



『薮さん、今後のスケジュールです』



yb「ありがとうございます。



…ロケ？」



『はい。



薮さんにロケして欲しいという視聴者の声が多く上がっていて…』



yb「それは嬉しいですね。



ありがとうございます」



そういう声が上がってくれることはとても嬉しい



yb「それではお先に失礼します」



ペコリとお辞儀をしてタクシーに乗り込む



yb「すいません、ここまで」



「はい。



…【獣の瞳(ウルフ・アイ)】さんですよね？」




心臓の鼓動が一瞬強くなる




警察関係者…？



「安心してください、カメラ系は切ってありますし警察関係者でもありません。



…仕事の依頼です」



yb「仕事…？」



運転手は器用に写真を渡してくる



「【孤独な引き金(ラスト・トリガー)】という名の殺し屋です。



求めるのはそれだけです」



yb「…意外と端的なんですね」



「あまり人と関わらないように接して来たので」



そうか…あ



yb「お名前だけお伺いしても？」



「…岡本圭人、覚えていても意味はありませんが」

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