偶然の必然【平成跳】【短編集】

地獄の蜘蛛 ページ11

ar「この町でロケですか？」
　


『少し治安は悪いですけど…スタッフが一同で被害がないようにしますので‼︎』



スタッフが必死に言う姿を見て俺もなんとか首肯する



有岡が今回行く町は普通の人物でも治安が悪いと噂するところなのだ



スタッフが守ってくれるなら…とロケに参加することにした



スタッフが出ていくと俺は手帳から先日、岡本にもらった写真を取り出した



この男…あの殺し屋、【骨折りの犬(ボーン・ドッグ)】らしい



写真とコードネーム入手できるってすごいことなんだけどな



殺し方はとても単純



その名の通り、骨を折るだけ



ただ、普通に骨を折るわけじゃない



喧嘩みたいに相手をボコボコにして骨を折る



死体は身分証明書と照らし合わせてもわからないくらいボコボコとのことだ



…見たくねぇな



ar「はぁ…いつもやってることだしやりに行くか」



いつもロケ前に現地に行って下見をしている



…ここで行かなかったらなんか嫌だし、1人で行くとしよう



タクシーに乗って町に出向く



…思ってたより平気かも



そう思っていると白髪の男と肩がぶつかった



ar「あ…」



「チッ…」



舌打ちして去られた



何あれ…あ



俺は写真を取り出してじっくりと見た



アイツ…

地獄の蜘蛛→←地獄の蜘蛛

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す