83. sideR ページ33
「久しぶりっす」
「おお、久しぶり」
中間さんはそれだけ言うと、すぐ横を駆け下りようとした。
なんでお前だけ降りてくんねん。なんでいつも1人にしてしまうねん。
「中間さん！」
俺は小さくなる背中に呼びかけた。
「A、まだ中間さんのこと好きですよ！」
俺の言葉に顔を上げる中間さん。信じられへん、って顔に書いてある。
「俺はビビリで逃げてばっかりの中間さん好きじゃないですけどね、
それでもAはずっと中間さんの方見てますよ！腹立つくらい！」
「それほんまなんか」
「ほんまなんかって…上で何話してたんですか？ こんなに時間かけて」
「色々…謝ってた」
「謝って済むことちゃいますよ、あいつどんだけ傷ついたか」
「だから、俺にはAちゃんを好きになる資格なんかないねん」
真面目な顔で話す中間さんに、俺はイライラしていた。なんで分からへんねん。なんでAがほんまに望んでることに気づかへんねん。
「違うでしょ」
あまりにもイライラしすぎて、声が裏返ってしまった。
「どんだけ傷ついても、Aは中間さんが好きなんです。
Aを幸せにしてあげられるのは、中間さんなんです」
なんでこんなこと言わなあかんねん、泣きそうや。でも、好きな子には幸せになってほしいから。
「君と付き合ってたわけじゃないんか」
「俺、振られてますよ。だいぶ前に」
「知らんかった…」
中間さんは目をパチパチさせると、はあーとため息をついた。
「ありがとう。俺、ちゃんと向き合うわ」
「今度泣かしたらタダじゃおかないですよ」
中間さんは頷くと、慌ただしく階段を降りた。
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Hana(プロフ) - ふわさん» ふわさん、コメントありがとうございます。一年ぶりの更新でしたが、楽しんでくださる方がいて何よりです。最後まで書き切ろうと思うので、よろしくお願いします。 (2020年6月7日 18時) (
レス) id: 66a0eb112b (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - はじめまして、ふわと申します。とても素敵な文章で一気に読んでしまいました。流星くんが切ないけど優しくて…これからの展開もとても楽しみです。素敵な時間をありがとうございました。 (2020年6月7日 11時) (レス) id: 1edcc49e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hana | 作成日時：2020年6月5日 20時
