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「…へっ！？」
「魂、口から出てたで」
流星は私の顔の前で手をひらひら振る。返ってこーい、なんて言いながら。
「また春が来るな」
「うん」
「2年もみんなと一緒がいいわ」
「私も」
「ほんまに思ってる？」
流星は私の顔を見ると疑いの目を向けた。
「違うこと考えてたんちゃうん」
「考えてないよ、私も流星と同じ気持ちだよ」
大きく手を振って否定すると、流星はまだ納得のいかない顔をして「ふうん」と作業に戻った。
生徒会が終わって流星と階段を降りていると、不意に流星が「あ」と声を出した。
「Aってまだあれ持ってる？」
「あれ？」
頭の上にハテナを浮かべる私に、自分のスマホを見せる流星。
「俺があげたお守り」
「あれお守りだったの？ いつもシャツのポケットに…あれ？」
胸ポケットを触ると、いつもの膨らみがない。なんだって。
「え？ いや、いつもここに…なんで…」
ボディパーカッションをするみたいに身体中を叩く私を、細い目で見つめる流星。
思い出した。プログラムを折るときに、胸元から落ちてそのまま長机に置いたままだ。
「生徒会室にある、取ってくる！」
私は階段を上ると、生徒会室に向かった。さっき鍵は閉めたからまた開けなきゃ…
「あれ？」
鍵を開ける必要はなかった。部屋は開いている。何かを察したように、心臓の鼓動が身体中に響き始めた。
中に入ると、さらさらの栗色の髪の毛と学ランが見えた。
「探し物はこれか？」
「…」
彼が振り向く瞬間、まるでスローモーションのように時間がゆっくりと進んだ。息が止まりそうなくらいドキドキしている。
「…中間さん」
「久しぶり」
少し痩せた中間さんは、初めて出会ったときのように優しく笑った。
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Hana(プロフ) - ふわさん» ふわさん、コメントありがとうございます。一年ぶりの更新でしたが、楽しんでくださる方がいて何よりです。最後まで書き切ろうと思うので、よろしくお願いします。 (2020年6月7日 18時) (
レス) id: 66a0eb112b (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - はじめまして、ふわと申します。とても素敵な文章で一気に読んでしまいました。流星くんが切ないけど優しくて…これからの展開もとても楽しみです。素敵な時間をありがとうございました。 (2020年6月7日 11時) (レス) id: 1edcc49e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hana | 作成日時：2020年6月5日 20時
