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「そらそうやろ、今日初めて好きな人できたんやからなあ」
会話を聞いていたシゲが、なあ?と神ちゃんに同意を求めた。
「でも俺シゲにぶっちゅーされたことあんで」
「え!?」
「言うてもまあ幼稚え…」
「だあああ、何で言うのん神ちゃん!」
「やめろ、そっち系は扱ってへんぞ!」
知らないうちに私たちの声のボリュームは大きくなっていて、背後に人影が近づいていることに気がつかなかった。
「ちょ、のんちゃん声が」
「この子ら君の友達か?」
聞き覚えのある低い声。私の全身は一瞬で熱を帯びる。
振り向くと、眉間にしわを寄せた中間さんがいた。
「中間さん」
「勉強に必要なおしゃべりなら構わんけどな、しょうもないことペチャクチャ話すんならよそ行き」
「すいません」
また怒られた。振られた後にお説教までされた。
「今日は見逃したるけど、次から気ぃつけや」
すぐに私たちの元を離れ、図書室を去って行った。
居心地の悪い空気が流れる。
「…感じ悪ない?」
最初に口を開いたのはシゲだった。
「そら俺らも悪かったけどさ、もうちょっと言い方あるんやない?」
シゲの隣で神ちゃんも頷く。
「A、あんなやつがええんか?」
「えっと…」
シゲの言うことは最もだったから、私はすぐに返事できなかった。
でも、忘れられないの。
「どないしたん?」と声をかけてくれた中間さんの優しい顔。
私の手を握った中間さんの温かい手。
確かに言葉は強いけど、きっと心は温かい人なの。
何も答えずにいると、流星が私の頭をポンと撫でた。
「Aが好きなやつを悪く言うのはやめよ」
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ピノ - この作品すごく好きです!これからも更新頑張ってください!続き気になります。 (2019年4月21日 2時) (レス) id: ac20c79d28 (このIDを非表示/違反報告)
淳望 - ちょっと口調は強いけど、それでも言ってる内容がすごく優しくてそんな淳太くんにすごくキュンキュンしてます!この小説すごく面白いから大好きです!大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2019年4月13日 8時) (レス) id: 8286031f0a (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - にゃーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。引き続き更新頑張りますね (2019年1月24日 21時) (レス) id: 4d2980bd83 (このIDを非表示/違反報告)
にゃー(プロフ) - とても面白いです♪更新楽しみにしてます! (2019年1月24日 2時) (レス) id: 5a826c2c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2019年1月15日 21時