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流星に促されて、私は再び図書室に戻った。


残りの3人は不安げな表情を浮かべて私のことを待ってくれていた。


「作戦立て直しや」


流星は目を腫らした私の代わりに全てを説明してくれた。


そんな私と流星に触れずにいてくれた3人の優しさに救われる。


「なるほどなあー…」


シゲが頭の後ろで手を組む。


「それはその女が悪いわ」


曲がったことが嫌いな神ちゃんは苦い顔をしている。


のんちゃんは難しい顔をして考え込んでいる。


「中間さん、やっぱりびびってるんちゃうか?」


シゲが私の顔をのぞき込む。


「びびってる?」


「おん。もう傷つきたくなくて、Aのこと遠ざけようとしてるんちゃうかな」


「それは俺も思うわ」


シゲの隣で神ちゃんが大きく頷く。


流星は何も言わない。目が合うとにっこり笑うだけ。


ついにのんちゃんが顔を上げた。


「俺もシゲや神ちゃんにはげどや」


「古ない?」


「これはもうAが中間さんに愛を伝え続けるしかない」


「愛を伝え続ける…?」


「おう。毎日顔を合わせる、言葉を交わす、連絡を取る、好意を伝える。


Aがどれくらい本気か分からせてやれ」


のんちゃんは眉毛をキリッとさせて頷く。


私がどれくらい中間さんのことを好きか…


「で、できるかな…」


思わず俯いてしまう。今日だって心が折れて泣いてしまった。


「できる」


隣から声が聞こえる。振り向くと、流星は私を見つめていた。


「Aならできるよ」


流星の温かい手が頭の上に乗せられる。「ほら、すぐ触りよる!」とシゲやのんちゃんが騒いでいる。


ありがとう、流星。

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ピノ - この作品すごく好きです!これからも更新頑張ってください!続き気になります。 (2019年4月21日 2時) (レス) id: ac20c79d28 (このIDを非表示/違反報告)
淳望 - ちょっと口調は強いけど、それでも言ってる内容がすごく優しくてそんな淳太くんにすごくキュンキュンしてます!この小説すごく面白いから大好きです!大変だと思いますが、更新頑張って下さい! (2019年4月13日 8時) (レス) id: 8286031f0a (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - にゃーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。引き続き更新頑張りますね (2019年1月24日 21時) (レス) id: 4d2980bd83 (このIDを非表示/違反報告)
にゃー(プロフ) - とても面白いです♪更新楽しみにしてます! (2019年1月24日 2時) (レス) id: 5a826c2c2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hana | 作成日時:2019年1月15日 21時

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