恋愛成就委員会

30. sideT ページ30

その後照史は持ち前の人懐っこさでシゲとも距離を縮め、色んな話をしてくれた。


「え！照史生徒会入ってるん？」


「そうやで。確かモンチらと同じクラスの子2人入ってきたわ」


俺とシゲは顔を見合わせてにやりと笑う。


勘の良い照史は、あっ！と表情を変えて俺の肩を叩いた。


「なんや、自分らのツレかいな！


淳太くん好きな子と、ごっつい男前」


「…なあ照史、生徒会長ってどんな人なん？」


俺が尋ねると、照史は一瞬目を伏せた。


すぐにいつもの明るい笑顔に戻る。


「真っ直ぐで真面目な男やで〜？ その分誤解もされやすいけどな」


「でも俺良い噂聞いてないんすわ」


シゲの言葉に照史は表情を変えた。


「どういうことや」


「付き合ってた子にひどいことして、学校辞めさせたんでしょう」


「そんな噂…」


目を見開いた照史は今にも掴みかかりそうな勢いでシゲに近づいたが、


すぐに呼吸を整えて「そんな噂、信じたらあかん」とだけつぶやいた。


「あんな性格やから勘違いされやすいねん。


せやけど、あいつは曲がったことは大嫌いな人間や。だから…そんな噂は信じやんといてくれ」


頼むように言った照史の目には悲しさや悔しさが滲んでいて、


俺もシゲも何も言うことができなかった。

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