トーストと目玉焼きと、コーヒー２ (ページ44)

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今日はなんとドライバーが流星。心配性な濵田さんは助手席でそわそわしている。

「去年擦ってから乗ってへんねんなあ」

のんびりした口調でそう話し、エンジンをかける流星。デスドライブにならないことを後部座席で祈る。

窓の外に目をやると、すでに星はちらほら見えていた。展望台に行ったらもっと見えるのかな。まるで遠足に行く前の子どものように、胸は昂っていた。

「濵ちゃんナビ頼むで」

「俺、地図見る方が苦手なんや…」

濵田さんの車はカーナビが壊れている。修理に出すか新しいものを買えばいいのに、「迷いながら走るのも楽しいねん」なんて言って濵田さんは壊れたカーナビをそのままにしているのだ。

迷いながら走るのって楽しいのかな。まだ子どもだからわからないや。もう26歳だけど。

「彼女とドライブせんの？」

「したいから練習してる」

流星は必死だ。これ以上ないくらい腕が伸びているし、濵田さんを横目で見ることもしない。

こんなに想われているなんて、彼女さん幸せ者だなあ。

「はあー、なんか感動するわ」

濵田さんも同じことを感じたのか、しみじみとつぶやいた。

「流星にも幸せになってほしいと思ってたからなあ。嬉しいわ」

濵田さんは流星の横顔を見て微笑む。余裕がない流星も少しだけ頬を緩めた。