トーストと目玉焼きと、コーヒー２ (ページ43)

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「あれ？」

玄関に入って、私と濵田さんは首を捻った。流星のスニーカーがある。

今日はバイトじゃなかったっけ？なんて話しながら居間に入ると、リュックを背負ってカレンダーを凝視している流星がいた。

「流星、今日バイト」

「シフト勘違いしてたわ」

間違えてバイト先まで行ってもうたでえ、と笑う流星に少しだけ肩の力が抜けた。

「夜３人揃うの久しぶりやない？」

「確かに。いつぶりだろう」

「Aの誕生日会はしたけどあれは深夜やったしなあ」

そんな話をしていると、濵田さんは「あっ」と声を出した。次の瞬間には、スマホを取り出して画面に指をなぞらせている。

リュックを下ろした流星がソファに腰掛けたとき、濵田さんは私たちにスマホの画面を見せてきた。

「ここ行ってみいひん？」

「ナナホシテンボウダイ？」

「流星、漢字読めるんだ」

「うるさ」

濵田さんが見せてきたのは、家から車で一時間走ったところにある海岸沿いの展望台だった。

星が見たいなんて、濵田さん意外とロマンチストなんだ。

「なんや願いが叶うって有名なスポットらしいで」

「行こ」

にやりと笑う濵田さん、二つ返事をする流星。二人は私の顔を見つめる。

「行く！」

いつだって、二人は私を外へと連れ出してくれるのだ。