トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ9)

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「神ちゃん張り切ってんなあ」

そう言って濵田さんは満足そうに笑った。彼が神ちゃんらしい。

「濵田さんのご友人なんで！どんな人かずっと気になってました」

耳にもたくさんの飾りがついているような派手な見た目の割に、物腰は柔らかで丁寧。不思議だけど好印象に映った。

「じゃあ、それ下さい」

「飲み物は？照史、おすすめ言ってやって」

「え、コーヒーでええんちゃう？」

愛嬌のある顔で濵田さんを見つめる彼が照史さん。流星と電話で話していたのはこの人か。

「さっき、自分でコーヒーがおすすめって言うてたやん」

「せやけど、この子コーヒー飲まれへんねん」

「えー！？」

タレントばりのオーバーリアクション。思わず笑いそうになった。

「ほな紅茶にしますか？タルトならストレートが合うと思うんで、ダージリンとかどうですか？」

「それでお願いします」

「かしまりましたっ」

そう言ってニッと笑ってみせた照史さん。この人の笑顔好きだな。

私が注文のやり取りをしてる間、濵田さんは黙々とレジ点検をし、小瀧くんは会話に入ることもなくカウンター付近で突っ立っていた。

新人さんだから色々慣れてないもんね。さっきの出来事を思い出して、可愛らしいギャップだなんて思った。