トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ5)

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濵田さん、流星と出会ったのは３年前だ。

当時の私は社会人一年目で、地方から関西に出てきたばかり。唯一の心の拠り所が、大好きな彼氏だった。

彼氏とは研修で同じグループにいたことから交際が始まり、お互い一人暮らしということで半同棲状態だった。

このまま付き合い続ければ、いつかは結婚できるなんて思ってたんだよね。

冬が来て異動の話が出た時、彼氏は私に相談せずに東京行きを決めた。

遠距離でもいいからと説得したけど、「女の子の貴重な20代を無駄にできないから」なんて大人すぎる理由であっけなく振られた。

馬鹿みたいに悲しくて悔しくて、別れ話の帰り道に赤信号で横断歩道を渡った。半ばヤケだったんだと思う。

案の定、しかし不幸中の幸いで自転車とぶつかり、倒れ込んだ私に手を差し伸べてくれたのが濵田さんだった。

涙で顔はぐしゃぐしゃ、転んで服はぐちゃぐちゃの私を家に連れて帰った濵田さんはホットミルクを入れてくれた。

家に帰りたくない、家に帰ると思い出が溢れていて悲しくなると泣き叫ぶ私に、ソファに寝転がっていた流星が泊まってけばなんて言ってくれた。

それから私たちのシェアハウスが始まった。

相も変わらず濵田さんは優しいし、流星は大学サボりがちだし、私は彼氏探しに勤しんでいる。