トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ23)

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「ごちそうさまでした。お会計…」

「出させて」

財布を持った手に手を重ねてくるのは流星。何のつもりだ。

「いや、いいですよ…」

「その代わりライン教えてな」

そう言って流星はレジにいる小瀧くんに２人分の会計を払った。

「Aさん、気をつけて」

帰り際に神ちゃんが険しい顔で忠告してくるものだから笑った。

お店を出る時にレジを振り返ると、眉を下げた小瀧くんと目が合った。

またね。

口パクでそう伝えて手を振ると、眉を下げていた小瀧くんが表情を明るくして手を振り返してきた。

お店を出てから、流星の耳たぶを引っ張る。

「痛い痛い痛い」

「何しに来たの？変なことばっかりして」

「いや、普段の俺あんなんやから」

「想像以上にチャラかったわ」

「イケメンくん、思ったより良い男やん」

不意に小瀧くんを褒められて、耳たぶを引っ張る手から力が抜けてしまう。

「小瀧くん見に来たの？」

「まあそれもあるけど。暇潰しみたいな？」

流星の言動を振り返る。どう考えてもあれは初対面の女性を口説くチャラいイケメンだった。

「ちょっかいかけに来たんでしょ」

「バレた？」

もう一度耳たぶを引っ張る。

「痛い痛い痛い、もうせえへんて！」