トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ19)

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「失礼ですけどおいくつなんですか？」

「今２５です」

「じゃああんま変わんないすね」

小瀧くんの言葉は軽やかだ。私と違うタイプの人間なんだろうなと何となく理解し始めた。

「嫌じゃなかったからタメにしません？」

「いいよ」

「わあ、なんかいいな。いいよって可愛い」

そして相手が歳上であろうと可愛いと褒めることができるのだ。

「いつもはこの時間何してるん？」

「動画見たりするかな。最近動物の動画見るのにハマってる」

「わかる！俺も犬の動画とかめちゃくちゃ見てまうねんな」

文面と変わらず小瀧くんとのやり取りはテンポが良い。答えることに頭を使わなくても会話が続くのは、きっと小瀧くんがリードしてくれている。

３０分くらい話し込んだ頃、次の日も仕事なのでそろそろ寝ることを伝えた。

「また電話してもいい？」

「うん。もちろん」

「ありがとう。明日も頑張ってね、おやすみ」

あっけなく切れた電話に、寂しさと安心の両方を感じた。

久しぶりにムーンライトに行ってみようかな。

明日は打ち合わせも会議もないことを確認して、私は布団に潜り込んだ。