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「帰りは重岡くんが運転してな」
「え!?」
返事をする前に、中間さんはハイボールに口をつけた。隣の流星はウーロンハイを半分空けた。なんて奴らだ。
中間さんが連れてきてくれたのは小さな店で、恰幅の良い店長と数人のアルバイトが忙しなく働いていた。
久しぶりに好物だったレバーを食べる。うん、美味い。気持ち悪くならない。
好物を食べて美味いと思えたことが嬉しくて、目頭が熱くなるのを感じた俺は、それを隠すようにジンジャーエールをがぶりと飲んだ。
「次は何飲むんや、藤井くん」
「2杯目は梅酒のロックって決めてるんす」
「ええなあ、僕もそうしよかな」
酒豪の2人は1つのメニューを仲良く見ている。ぎゅっと肩を寄せる2人を見て、店長がけらけらと笑った。
「なんや淳太くん、えらいイケメンと仲良なったんやなあ」
「二人は友達なんすか?」
こちらの座敷に上がってきた店長に、流星が尋ねる。店長と中間さんが同時にうなずいて、お互いを指さした。
「高校の先輩後輩やねん」
「照史が2個上やねんけど、同級生みたいに仲良うしてくれてな」
先輩後輩、という言葉を聞いて俺の胸はずきんと痛んだ。俺にだってそんな奴がいた。
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作者名:Hana | 作成日時:2020年8月15日 18時