魔法使いと夏休み (ページ18)

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「2人とも同じ夢見たんか」

俺たちの話を聞いて、中間さんは目を丸くした。

この間上がらせてもらった仏間の奥に進むと、小さな縁側があった。俺たちはそこで一息ついていた。

流星が来たのは昨日のことで、夢の話を聞いたときにその幼なじみが俺ではないかと推測してこちらに連絡を寄越したらしい。

「君らはハッピーエンドやったんやね」

歌うようにつぶやいて、中間さんはまた一口ビールを飲んだ。

「中間さんっていくつなんすか」

ずっと気になっていたことを流星が尋ねる。

「僕は今年で25歳。大学院で文学の研究してる」

そんなに歳上でもなかった。なんなら学生であることに驚いた。

「今は僕も夏休みで、こっちに帰ってきてんねん。今だけここの2階使わしてもらってる」

なんで実家に帰らないんだろう、と思ったが中間さんはすでに俺の隣から離れて立ち上がっていた。

「今から2階掃除したいねんけど手伝ってくれへん？」

「えっ」

俺より先に声を上げたのは流星だった。分かりやすい反応に中間さんは笑う。

「美味い焼き鳥屋連れてったるから手伝ってよ」

「しゃーなしですよ」

分かりやすい掌返しに、今度は俺が笑った。

なんやろう、ちょっと身体が軽い。