恋とWEST (ページ5)

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バイト先の後輩 N ページ5

「こんにちは」

声をかけられて顔を上げると、○○店の小瀧くんがいた。

彼は普段違う店舗で働いているのだが、たまにヘルプでうちの店舗へ来る。

いわゆるイケメンで、初めて会ったときからフレンドリーに接してくれるが、恋愛経験の乏しい私には眩しすぎる存在なのだ。

フロアに出ている時でもお客様がいないときは「お久しぶりですね」なんて話しかけてきたり、目が合うと手を振ってきたりする。

「それSSの新作でしょ、似合ってます」

「…ありがと」

こんな台詞をサラッと言える人だから、私は未だに慣れない。

休憩では、小瀧くんが歳下ということが判明した。

「まだ20歳なんだね」

「よく老けて見られるんですよね」

苦笑いして頭をかく仕草も20歳のそれとは思えない色気だ。

「じゃあ、私そろそろ出るね」

フロアに続く扉の前に立つと、小瀧くんがそれを阻むように私の前に立ち上がった。

「どうしたの？」

「彼氏います？」

くりくりの瞳に見つめられて、顔から熱が出そうだと思った。

「…いないです」

すると、彼はにっこりと笑って右手を挙げた。

「じゃあ、立候補していいっすか？」