恋とWEST (ページ18)

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同級生 J ページ18

「なんで彼女できひんのやろ」

「久しぶりにその台詞聞いた」

社会人になって地元に戻ったのは淳太も同じだった。

顔が綺麗で頭が良くて運動神経が悪い淳太は、高校時代の同級生。何となく気になる期間が続いて、今でも連絡があれば会いに行ってしまう。

モテないわけではない。クラスメートが「中間くんかっこいい」と話していた場面を見たことさえある。

「イケメンやし頭も良いし言うことないねんけどなー？」

「そういうこと言うてしまうところちゃう？」

こいつは本当に彼女を作る気があるのか。口に出して楽しんでいるだけのように見える。

「今がチャンスやで。俺これからモテて取り合い合戦や」

「高校の時も言うてた。そのくせに彼女作らんかったやん」

指摘すると、ふふふと笑う。この笑顔が憎めなくてずるい。

「知ってた？高校の時、お前のこと好きやってんで」

「えっ、知らん、何で言うてくれへんかったん」

「ほな今言うていい？俺と付き合って下さい」

「はい」

かんぱーい、とジョッキを掲げる淳太。

「ロマンのかけらもないわ…」

「じゃあ今度はロマンチックなやつにする」

「今度？」

「うん、今度」

ジョッキに口をつけながらにやりと笑う淳太に、プロポーズされるのは３年後のお話。