恋とWEST (ページ2)

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大学の同期 R ページ2

日付が変わる頃、枕元のスマホが光を放った。

「誰…」

光り続けている様子から、メッセージではなく着信であることが分かる。

目も上手く開かないまま、電話に出る。

「もしもし…」

「あ、起きてた」

電話口の向こうで呑気な声が聞こえる。

「もう寝てもうたかと思ってたわあ」

「いや、流星の電話で目が覚めたんだけどね…」

こちらのことは構わず、彼はマイペースに話を始める。

それは本当にとりとめのない話で。子どもの頃に捕まえた虫の話とか、バイト先の変なお客さんの話とか。

気づけば日付が変わって1時間が経っていた。

「Aー、眠い？」

「うー…、まだ平気だけど」

「てかAって酒強いん？」

「いやもう、話飛び飛びだから」

私がやんわりと突っ込むと、流星は電話の向こうでえへえへと笑った。

「どうなん」

「何が」

「酒強いの？」

「弱くはないよ、飲むの好きだもん」

「ふーん」

スン、と鼻を啜る音がする。

「じゃあさ、飲みに行こうや」

「ん？」

「飲み行こ。俺と」

流星の声は微かに震えていた。