5 ページ19
「ちょっと待った！」
突撃だのなんだの話している所に総統室の両開き扉をバーン！と開けて鬱が入ってきた。眼鏡をクイッと上げているのがなんともウザい。
「おう何が待てやもうこっちは待っとんねん書類持ってきたんか？」
「ちゃいますやんちゃいますやん」
そんな鬱にトントンが詰め寄る。剣幕に仰け反りながらも鬱はグルッペンの所へ歩いて行く。
「で、何が待てやねん」
早く突撃したいのか、グルッペンはいかにもはよしろというように頬杖をついて鬱を見る。
「ふふん、話は聞いた。会話から察するに……デキてんで、あの2人」
「「「…………は？」」」
見事に3人の声がハモった。
「どうしてそう思うんだ？」
グルッペンが怪訝そうに問う。対してトントン、ロボロは「ズッ友同盟はどうなったんや…」「裏切り者…裏切り者…！」と呪詛っぽいものを唱えている。それをお構い無しに鬱は話し始める。
「あんな、まず男女2人がほぼ1日同じ部屋にいる。これでもう90パーよ」※彼らは会話しか聞いていません。
「マジか」※彼らは会話しか聞いていま(略)
「ほんで、ティッシュを取って欲しいという事は、動くのがダルい、イコール寝転がってる状態やと予測した」※彼らは会話しか聞い(略)
「そんなん自分で取ったらええやん」※彼らは会話しか(略)
ズボら過ぎひん？とロボロが眉を寄せる。
「阿呆やなお前、だから童貞やねん」※彼らは会話(略)
「なんだと！？」※彼らは(略)
「あんな、それほど疲れとんねん。男女2人、密室の中、疲れて寝転がってる、拭きたいものがある、そしたらヤった事は………1つや」※彼(略)
「「「………………」」」※(略)
沈黙の後、誰かがごくりと唾を飲んだ。
一方の鬱は「いや〜あのコネシマがなぁ〜」とうんうん頷いている。気分はさながら保護者だ。
「これ……どうするんや？他の奴らならまだしも、シャオロンやゾムが知ったら……」
「「俺らが知ったらなんやって？」」
声のする方へ錆びた金属の如く、ギギギ、と音がしそうな程緩慢な動きで全員が向くと、そこには件の満面の笑みの2人がいた。
「ｱﾚ､ｵﾊﾔｲｵｶｴﾘﾃﾞｽﾈ…？」
グルッペンがワントーン高い上ずった声で訊ねる。
「思ったより早く終わってん」
「やから報告にきたんやけど……」
満面の笑みのまま一歩ずつ近付きながら口を開く。
「なんの話しか」
「聞かせてくれや」
後にどこかの国の総統は語った。
その2人は修羅を背負っていたと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めん(プロフ) - ミスタさん» 外したと思っておりましたが外れていなかったようです。ご指摘有難うございます。 (2019年10月23日 6時) (
レス) id: f74fa4c96f (このIDを非表示/違反報告)
ミスタ(プロフ) - オリジナルフラグを外して下さい (2019年10月23日 6時) (レス) id: b6262af8c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めん | 作成日時：2019年10月23日 6時
