*第14ラウンド ページ14
【You Side】
及川は、ああ見えて昔から意外と寂しがりやさんだった。
小さい時、ミチコちゃん達の帰りや及川のお兄さんの帰りが遅い時、よく泣いてて岩泉家や私の家に来ては夜まで一緒に過ごしていた。
そんな記憶が残っていたから、ミチコちゃんに及川が帰ってきたら一緒に夕飯を食べることを伝えると、何故かミチコちゃんが、めちゃくちゃ喜んでいた。
及「ははっ、ほんと…ありがとう、A」
『どーいたしまして。』
及川も多分、喜んでくれてる…と思う。
私に素直にお礼を言う及川。
あ…その笑った顔、好きかも…
及「あれ?A、顔赤いけど大丈夫!?」
『うそん。へーき、へーき!』
おかしいな。最近、ついつい及川を意識してしまう。
"そうだよ。Aが、岩ちゃんばっかりだから、妬いてる。"
"岩ちゃんじゃなくて、俺にベッタリして夢中になればいいのにって、いつも思ってるよ。"
多分、及川を意識するようになったのは、こんなことを言われたあの日から___。
及「A、それ食べないのー?食べないなら、俺貰っちゃうよー?」
『だ、だめっ!私が食べる…!』
危ない危ない…及川にミチコちゃん特製ゴハン奪われるところだったよ…
及「そういえば金田一の家の近くのパン屋に期間限定のクリームパン出るらしいよー。」
『ええっ!?それは絶対行かなくちゃ…!』
"今夜は昼間の良い天気とは大きく変わり、次第に雨が降り出すでしょう。また、一部地域では雷注意報が発令されていますので、付近にお住いの方は充分に注意を___……"
ミチコちゃんのゴハンと及川とのお話に夢中で、テレビのニュースの声なんて全く聞こえていなかった。
私はこの年になっても、雷だけは、嫌いだ___
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作者名:真田レン | 作成日時:2018年2月9日 4時