*第12ラウンド ページ12
【Oikawa Side】
"3日間、Aちゃんのこと預かることになったからね。"
朝、家を出る直前に母さんから言われたことが頭から離れなくて、思わず鼻歌を口ずさんでいた。
こんなにワクワクしながら朝練に向かうのは、初めてかもしれない。
岩「ご機嫌だな。」
及「そりゃもちろん!今日からAと3日間一緒だよ!?嬉しくて嬉しくて…、」
岩「Aに変なことしたら張り倒すからな。」
及「…うぃっす!」
岩ちゃん、怖いよ、目が本気だよ。
さすがAの兄貴分…!
.
.
家に帰れば玄関から「おかえり、徹♡」とか言ってAにお出迎えされたい!されたい!されたーーい!なんて、アホなことを考えながら、朝と同様ご機嫌で家に向かった。
帰り道、岩ちゃんに「明日の土曜練習は午前からだから浮かれて忘れんなよ。」と脅されたけど、それさえも気にならないくらい、俺はご機嫌状態。
及「ただいまー。」
出来るだけ、平常心を保って家の中に入る___
及母「おかえりー。」
俺が妄想していた「おかえり、徹♡」の夢はそう簡単には実現しなかった。
いつも通りの風景、
.
…でも、
及母「Aちゃん、徹が帰ってくるまで待ちますって言って夕飯まだ食べてないんだから早く着替えてきてね。」
俺の家では部活が終わる時間が遅い日や、自主練が長引いた日、母さんたちには先に夕飯を食べててもらうようにしている。
先週の月曜日の帰り道、「最近健康に気を使って夕飯は早い時間に済ませるように心掛けてるの〜!」なんて言ってたAを思い出す。
及「うん、すぐに着替えてくる…!」
あー、やっぱりAが好きだなぁ…
と、改めてそう思った。
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作者名:真田レン | 作成日時:2018年2月9日 4時