Sweet Holiday ~ 2nd Season ~

ゼロの執行人公開記念！ ページ17

「今回の東京サミットの事件だけじゃない…多分、俺はこれから先、いま関わっている潜入捜査の決着が着くまで、今回みたいにAを待たせてしまうことばかりだと思う。



何度だって、Aを待たせるばかりで寂しい思いをさせてしまうと思う。だから"Aを絶対に幸せにする、俺と結婚して後悔させない"なんて約束は出来ない。



でも、それでも俺には、この先もAを手離すっていう選択だけは出来なかった。」






あれ…どうしよう…

なんだか泣きそうだ…







「この先何があっても、Aのところに帰ってくる。これだけは絶対に約束する。


俺はAに"恋人"じゃなくて"お嫁さん"になってほしい。」






ダメだ…涙、溢れる…






「俺は"恋人は？"って聞かれて"この国"って答えちゃうようなヤツだけどさ、



でも、それでも、やっぱり…









誰よりも、何よりも、









愛してるんだ、Aのこと。」









…私の返事なんて、ただ一つに決まってる。

それなのに、涙が邪魔をして、なかなか言葉に出来なくて。





それでも零くんは、指で優しく私の涙を拭っては、まるで小さい子をあやすかのように、抱きしめては背中をさすってくれていた。









『ううっ…ぐすっ…、私の返事なんて、一つだけだよ…っ、








わたしも、








宇宙で1番…、零くんを、愛してる…っ。』









『だから…これから先ずっと、
わたしを手離さないで…。



私のところに帰ってきてくれるっていう約束だけで、最高に幸せだよ…。』






「…っ、Aっ」









もしかしたらこのまま零くんが潰れてしまうかもしれない、それくらい強く、強く、ギュッと彼を抱きしめた。




「A…、」

『ん、』









彼にプロポーズされてから初めてのキスは、
私の嬉し涙の味で少し、しょっぱかった。









.









私の恋人…いや、旦那さんは、






この国を守ってくれる、強くて立派な人で、








"絶対にAを幸せにする、なんて約束は出来ないけど……"




そんなことを言ってたけど、







自信を持って言える。









零くんと結婚して本当によかった、
いま私は宇宙で1番の幸せ者であると＿＿＿＿。









End.

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