【d!】甘い甘いスイーツと・・・ (ページ43)

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帰る場所はいつも一緒でページ43

「グリム様！今日もお話聞かせて！」

「えー！グリム様は俺を鍛えてくれるって約束したんだぜ？なな、俺だよな！」

「うーん。ごめんなさい。約束した子が優先なのでまた明日でよろしいでしょうか？」

公園で黄昏ていたグリムに、少女と少年がやって来た

あれから数日後、グリムは我々国の幹部として正式に公に発表した

その影響は絶大で、唯一の女幹部であるのも注目をより集めた結果、
公園でオスマンと待ち合わせをしていたら声をかけられ、次第にそれは円を作った

もちろん大人は遠慮するのだが、まだそのような事が分からない子供相手にはプライベートもない

その事件から、グリムは毎回声をかけられるようになった

しかし、グリムはその行動を嬉しく思っているので、いつも同じ時間帯に公園にやってくる

それを知っていて、二人はここに来たのだ

「…はーい」

「しっかり待てるって、私は信じてますよー！」

「はーいッ！！」

顔を暗くした少女は、グリムの言葉で一気に笑顔に変わった

子供の扱い方を、グリムもここ数週間で学んだのだ

「ゾム様みたいに強くなるぞ～」

そう意気込んでおもちゃのナイフを振り回す少年

その剣筋を見ながら、ひそかにグリムは感心した

(毎日来るたびにこの子は強くなっていますね。ゾム様に伝えておきましょう)

グリムは品定めをするように少年の動きを見る

そして、大人になる頃には将軍レベルには到達しているだろうと予想する

優秀な人材は多い方が良い。それは何処の国でも一緒だ

「どう！？強くなった？」

「えぇ。とっても。ですが、回数を多く振るだけではいけないです。
　相手の急所をなるべく一撃で仕留めるように、体力の事も考えながら動くといいですよ」

「！！ありがと！」

少しアドバイスしただけで、少年のナイフの振り方がまた変わる

若いからか、少年が素直なのか、それとも戦闘の才能があるのか

いずれにしろグリムは微笑ましい気持ちになった

「じゃ、暗いから帰る！またな！」

元気よく手を振った少年に、グリムも振り返す

帰り道を尾行してしっかり帰ったのを確認してから、グリムも帰路につこうとした

実際にはその行動は思わぬ形で邪魔されたのだが

「なんや。誰尾行しとるんかと思えばガキか。あーあ。損したわ～」

どうやらゾムが、尾行していたグリムをさらに尾行していたようだ

「でも、観光客ではなくてよかったですね」

エーミールが暗闇から出てきて、そう声を上げた