私のお仕事 ページ19
「で、結局誰と仕事したいのかを決めてほしいのだが」
グルッペンの言葉に、他のメンバーも頷く
しかし、グリムは誰のもとで仕事をするのかは決めていなかった
彼女が選ぶのは、そう
「私は…薬品の研究職がしたいです。薬品の研究、開発、作成。
どうやらこのお国にはそれを担当する幹部の方はいないらしいので」
予想外の回答に集まったメンバーのほとんどは困惑していた
だが、グルッペンとオスマンは何となく察していたようで、ニヤリと含んだ笑みを浮かべた
グリムはぺこりとお辞儀をして、ニコニコと笑う
「なので、私は誰のもとでも働きません。皆さんの役に立つための最善の回答だと思われます」
何か言いたそうにしている人もいたが、誰も文句は言わなかった
「そうか…賛成のやつは拍手をしろ」
パチパチパチ
グルッペンの言葉に全員が拍手をした
室内はその音に包まれて、トントンの手の動きによってその音はやんだ
「じゃぁ、しばらくは俺のところで研究したほうがいい感じ？」
しんぺい神がそう言うと、グリムはコクリとうなずいた
それに付け加えるようにグリムは口を開く
「あと、エミさんの部屋の本を使いたいんですが…」
「えぇ。大丈夫ですよ。他でもない、貴方の頼みなら」
二コリとエーミールは笑った
グリムに返す言葉に疑問を持った兄さんが、口を開く
「あのさ、一つええか？二人ってどんな関係？」
「恋人です」
グリムは悪戯に笑いながら衝撃の言葉を発した
メンバー全員に雷が落ちたような衝撃が走る
もちろん、エーミールもその中には入っていたが
「グリム。嘘つくんもたいがいにしといた方がええで？」
オスマンがそういうと、グリムはバツが悪そうな顔をする
「お前、ホンマおもろいなぁ」
コネシマの言葉に、グリムは先ほどとは打って変わってうれしそうな顔をする
「で、結局グリムは誰のもとにもつかずに研究するってことやな」
脱線していた話をトントンが戻し、グリムはその言葉に「はい」と返事をした
グルッペンは書類を取り出し、何かを走り書きで書いている
そこにはあらかじめ予想していたとでもいうような薬品の研究するための資材の書類だった
グリムがそれに驚いていると、グルッペンは楽しそうな声で言った
「オスマンがグリム、君の前の役職を聞かせてくれた。
性格のことも考慮したら答えは一つしかないと思ってな」
その言葉に、グリムは改めて我々国の素晴らしさを知るのであった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
