スクールデイズ（6）

由来は頭文字なんだって ページ46

ino said

“俺は、伊野ちゃんに辞めてほしくない”
ライバルじゃないけど、光が引き止めたときの情景が浮かぶ。

電車に乗り込み車内が揺れ出して、再び亀梨くんが口を開いた。

亀「何も考えずに勝手に口走ってたから俺自身も驚いたんだけど。
“俺は生徒会長になってトップアーティストとして卒業する予定だけど、お前はどうする”って聞いたらさ、ほんと負けず嫌いなんだよねアイツ。
“亀梨なんかが学校仕切ったら、崩壊するに決まってるだろ”ってさ」

慧「…それで山下くんは副会長に。
でも所属してたグループには戻らなかったんですね」

亀「脱退した後だったからそこには戻らなかったけど、まぁ繋がりは今でも強いみたいだし。
一度メンバーになったらさ、そうそう離れられないもんなんだよ。

…“うち”もね」

慧「えっ」
唐突な告白に思わず聞き返す。

亀「うちのメンバーだったやつらはもう退学しちゃってるけど、今でも一緒にカラオケとか行くし」

待って、KAT-TUNって結成当時から3人じゃないの！？
慧「やつ“ら”ってことは」

亀「あぁ、元々6人。
グループ体制が変わるのなんて、よく結構あることなんだって」

慧「どんな人達だったんですか？」

亀「…知りたい？」

亀梨くんは嬉しそうに元メンバーのことや結成してからのことを語りだした。
ラップが出来る先輩、ダジャレが大好きな先輩、今はアメリカに滞在している先輩。
結構やんちゃでメンバー揃って廊下に立たされたとか。
ほんと俺らってギリギリで生きすぎだよなって微笑う横顔から大切に思う気持ちがひしひしと伝わってきた。


柏駅に着き亀梨くんに家どっち？と聞かれて、いつもの道を案内する。

亀「普段は有岡くんと登下校してんの？」

慧「はい。
あ、でも最近は生徒会と塾でなかなか…」

亀「じゃあ案外放課後は俺といる時間多いんだね」
確かに言われてみれば。
あー、大ちゃんの笑顔に癒やされたい。
表情に出ていたのか、隣でふふっと笑う声が聞こえた。
亀「明日は生徒会無しにしよっかな」

慧「え、いいんですか」
明日の朝は早めに大ちゃんを起こしてゆっくり通学しよう。


柏公園が見えてきた。
慧「あ、あの公園までで大丈夫です」

亀「ん、分かった」
そう言って突然亀梨くんが立ち止まる。

慧「あの、亀梨くん…？」



亀「俺はさっき吐き出したからさ、伊野尾くんにも吐き出してもらわないとね！」
にこやかに言い放つそいつが生徒会長であり先輩であり、講師であると同時に魔王だということを思い出す。

早とちりは良く無いです→←魔王だって語りたい

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