スクールデイズ（3） (ページ43)

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イヤホンでさくらんぼページ43

arok side

[今朝は生徒会あるから、先に行くね]
朝、伊野ちゃんからラインが来ていた。
せっかく今日は目覚まし時計でちゃんと起きられたのになぁ…。

これから薮ちゃんみたいに生徒会で忙しくなったら伊野ちゃんと一緒にいる時間が今より少なくなるんじゃないかと、寂しくなる。
教室の席前後ろだけど。

行きの電車に乗ると、今朝も同じ車両で髙木を見つけた。
赤いイヤホンを着けて扉にもたれ掛かっている姿が様になっている。
大「髙木おはよう！」
肩を叩いて声をかけると、髙木がイヤホンを外した。

雄「お、おはよう、有岡くん。
今日はお互い遅刻せずに済むね」

大「うん！
髙木って、いつもこの時間の電車に乗ってんの？」

雄「そう、最近ちゃんと朝のHRから出席するよう頑張ってるから」
へぇ、この時間に電車に乗れば髙木に毎朝会えるんだ。

大「偉いじゃん！
俺も遅刻しないよう頑張る！」

雄「はは、一緒に頑張ろ！」

大「さっき、何の曲聞いてたの？」

雄「んー？
内緒(笑)」

大「いいじゃん、教えてよ！
俺、髙木の趣味とかもっと知りたいし」

雄「うぇ！？
…しょうがないなー、ほら」
赤いイヤホンの片方を耳に着けてくれた。
髙木も音楽プレイヤーを操作しながらもう片方を耳に着けるから、自然と距離が近くなってドキドキする。

♪♪～♪～

曲の途中から流れ出したのは、有名な女性アーティストの恋愛ソング。
何度か聴いたことあるけど、曲名なんだったっけ。

雄「俺、定番の恋愛ソングを作詞とかしたいんだけど、恋とか分からなくてさ。
恥ずかしながら、こうやって勉強してんの」
なにそれ、ちょっと可愛いかも。

距離が近いから、髙木の低い声がくすぐったく感じる。

大「作詞かー、難しそう。
俺はどちらかというと、作曲の方に挑戦してみたいかも」

雄「じゃあ、そのうち二人の共同作をイベントで披露したいねー。
俺が作詞で、有岡くんが作曲！」

大「それ凄く楽しみ！
絶対だよ？
約束しようよ！」
髙木からの嬉しい提案に、目を輝かせた。

雄「そんなに嬉しいの？
いいよ、約束ね！」
指切りげんまんをする。

～♪♪恋しちゃったんだたぶん気づいてないでしょう？♪～

髙木のイヤホンから流れる音楽がサビに突入してから曲名をようやく思い出した。