スクールデイズ（3） (ページ35)

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本当は望んでいた学園生活ページ35

tkk side

戸塚くんが野次馬を蹴散らしてくれたあと、
“また昼休みね”
って有岡くんたち3人を理科室まで見送ってから、俺と薮くんも教室に帰って二時間目の授業を受けた。

授業が終わり櫻井先生が教室を出たあと、いつも通り薮くんの席のところへ歩いていく。

薮くんの前の席のモブ山くんが、席立ってこちらに体を向けた。

宏「な、なんだよ…」
俺も無意識に身構えた。

モブ山くんが口を開く。
モブ山「…さっき、髙木の陰口を言ってたんだ。
髙木につるむ薮のことも」
やっぱり。
薮くんまで俺の陰口に巻き込むなんて。

モブ山「お前らの後輩が怒ってさ。
俺も年下のくせになめやがってって憤ってたんだよな。
先輩であるお前らが駆けつけてきて、どうせ髙木のことだから暴行沙汰になって生徒会に連れていかれると思ってた」
見た目だけで、俺が教室にいない一年の間とんだ噂が立っていたもんだ。

宏「喧嘩売るなら表に…」

モブ山「違うんだ！
髙木が俺の考えに反して謝ってきた人間性を見て、今まで誤解していたのかもしれないって気づいたんだ。
よく知りもしないやつの噂も勝手にしてきたけど、お前本当はいい先輩なんだろ？
悪かった！！」
どういう風の吹き回しだろう。
モブ山くんが頭を下げてきた。

雄「え、そんなの俺が誤解されやすい見た目とこしてたし…」

モブ山「尊敬してる先輩の悪口言われたら、慕っている後輩は怒るわな。

俺もそうだったんだ。
去年、最初に所属したグループの先輩の悪口を言われて殴り合いになった結果、グループの先輩が責任持って脱退したんだよ。
いてもたってもいられなくて、俺や友達も脱退した。
俺が新しくグループ作って、脱退した友達の居場所を作って詫びたんだ」

宏「モブ山、お前そんなことがあったからグループのリーダーに…」

雄「いいよ、教えてくれて、謝ってくれてありがとう」

モブ山「髙木のお陰で、自分が殴り合った相手と同じ道に歩もうとしている間違いに気づけたよ。
こちらこそありがとう。」

宏「お互いにいいグループを作ろうな」

教室内に拍手が巻き起こった。
「俺らも、モブ山のことも髙木のことも色々誤解してたよ。」

「改めてクラスメイトとしてよろしくな」

「廊下での髙木も生徒会の戸塚も、超かっこ良かった！」

祥「え、まじで！？」

「薮もいい生徒会長として俺らをまとめてくれよ！」

雄「みんな…！」
感動で涙ぐむ。

宏「雄也良かったな、いいクラスメイトに、いい後輩と出逢えて」

薮くんと笑って肩を組んだ。