スクールデイズ（3） (ページ29)

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俺は君の専属ヒーローページ29

tkk side

雄「伊野尾くん寝ちゃってるね」

大「あはは、伊野ちゃん体力ないから…」
帰りの電車の席で揺られる。
薮くんと光くんはさっき別の駅で降りていった。

それにしても、今日は力仕事したから疲れたー。
バスケで鍛えてた身体もなまってきちゃった。
ダイエットしないとかなぁ。

大「モブ谷くん、怖かった…」

雄「あー、去年同じクラスだったけど、ほんとは人情を大事にしてる子なんだよ。
ちょっと自惚れてるとこがあるけど」

大「薮くんが助けてなかったら、伊野ちゃん危なかったよね。
昨日の生徒会長、副会長の喧嘩にしろ、ああいうところでとっさに動ける薮ちゃんって凄いよね。
まさに、漫画に出てくる王子様って感じの男子」

雄「しかも薮くん、手は出さずに頭を使って揉め事を止めるからね。
俺だったら殴っちゃうかも」

大「え、殴るの！？」

雄「い、いざとなったらね！
俺も基本的に揉め事は好きじゃないから…。

例えば、有岡くんがもしも危険な目に合ったら誰より早く助けに行きたいし」

大「なっ…！
俺だって、力あるから相手なんか一撃だぞ！」

雄「おー、やってみ？」
手のひらを有岡くんの正面にかざす

大「大ちゃんパーンチ！」
有岡くんの小さい拳が手のひらに当たる。

雄「ふは、なにその技名(笑)
え、今の本気？」

大「で、電車の中だから手加減してやったんだよ！
伊野ちゃん起きちゃうだろ！」

雄「この程度じゃあ危ないなー。
助けに行くからいつでも呼んでよ！」
有岡くんのためなら、何だって出来るかもなんて。

大「な、なんだよそれー…」

有岡くんが恥ずかしそうに目を反らしたのを見て、何故か心が熱くなった。