スクールデイズ（3） (ページ24)

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優しいジェイソンページ24

arok side

大「あーっ、やっと補習終わったー！」
思わず叫ぶ。
あと３日も補習やらないといけないなんて…。
二宮先生の前世は鬼に違いない。

リフォームが気になって部室へ向かう足を早める。

大「あっ！？」
伊野ちゃんがチェーンソー持ったやつに襲われてる！？
助けなきゃ！！

大「そこのお前、伊野ちゃんに手を出すなー！」

慧「へ？」

雄「あ、有岡くん！」

大「た、髙木！？」
チェーンソーを持っていたのは、マスクに防護メガネをつけた髙木だった。

もう金髪じゃないのに、制服の上着を脱いでカッターシャツを第三ボタンまで開けてズボンから出してるから、不良に見えたのだと二人に説明した。

雄「ひどい！」

慧「というか、大ちゃんチェーンソー相手に素手で闘おうとしたの(笑)？」

大「髙木、ごめんって…。
部室用の木材？
もう光くん家の軽トラ来てくれたんだ」

慧「来たのは薮の父ちゃんだけどね」

雄「聞いてよ有岡くん！
薮くんのパパがね、伊野尾くんが小さいときに薮くんのおよめさんになるんだって言ってたって！」
へ！？

慧「髙木っ！
お前、さっき言うなよって…！」

雄「ハッ、ごめんね伊野尾くん！！
もう絶対誰にも言わないからそのノコギリ下ろして！」

大「危ないって！
あ、小学校のときに好きだった男の子って…」

慧「…そうだよ、薮だよ。
でも今はもう好きでもなんでもないから」

大「伊野ちゃん…」
小学校の頃に
“こいつ男の子が好きなんだぜー”
っていじめられていた原因が、薮ちゃんになるのか。
幼なじみのわりに薮ちゃんから距離置いてる感じがしてたな。
いくら好きだったとはいえ、ここで再会して辛かったよね…。

雄「伊野尾くん。
人見知りの俺がいうのもなんだけど、人との相性にはどうしてもそれぞれ距離があるから、同じ部活でも無理に仲良くしなくていいんだよ。
辛いなら、寂しいけどいつでも抜けても構わないし…」

慧「あいつと一緒にいるのなんてって思ってたけど、最近友達も増えて、学園生活が楽しくなってね。
せめて文化祭まで、続けたいって思う。
多分ギクシャクしちゃうけど…」

雄「大丈夫、自分が後悔しない道を選べば。
俺なんて二年生だけど、最近ようやく教室の仲間と少しずつ話せるようになって。
何をしたって、きっとこれから良いことがあるよ」

慧「うん、ありがとう…」
目が潤んできた伊野ちゃん。
髙木は先輩の顔になってる。
頼もしいな。

大「俺、ノコギリ使えないから部室の方行くね！」
空気を呼んで、俺はその場から退いた。