スクールデイズ（3） (ページ23)

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やぶレターページ23

yotm side

木材を無我夢中で軽トラから降ろし、おじさんを見送った後もへこたれていた。

慧「髙木もチェーンソー使えるの？」

雄「うん、一応ね」

慧「俺と髙木は向こうで木材の準備始めるから、薮と光は部室の中にあるやつ全部外に出しといて！」
そういって、伊野ちゃんと髙木はチェーンソーやノコギリを担いで少し離れたところへ。

部室の中の道具を運びながら、室内で何度目かのため息をついた。

宏「だから言ったろ？
伊野尾は俺のものだって」
グッと薮を睨む。
お前、伊野ちゃんに恨まれてるんだぞ。

光「…別に、前にも聞いてたし。
そんなんでへこたれねぇわ。
それよりさ、ゆうとって誰」

宏「ゆうと？
あぁ、あいつも幼なじみだよ、伊野尾の一つ年下の。
可愛がってたからなぁ、俺が引っ越したあとも伊野尾に引っ付いてそう」

光「引っ…！？」

宏「今はどうなのか知らないけど。
幼なじみってそういうもんだろ？」

光「知らねぇよ」
俺にとっての長い付き合いは目の前のこいつだけなんだから。

イラついてきて、一際重たそうな段ボール箱を持ち上げる。

バリ！！

やべ、底抜けた。
宏「あーあー、お前何やってんだよ」

光「薮が力ねぇから持ってやったんだろ」

宏「ったくー…。
光、制服からなんか落ちたぞ」

光「あ？」
薮が手にしたのは、水色の封筒。

宏「ラブレターとか？」

光「バカ、違うって！
返せよ！」
薮が高いとこまで持ち上げる。
身長差で届かない。

宏「からかってやろうと思っただけなのに、その反応ってことはほんとなんだ？(笑)
でもお前の字じゃないな？」

光「あー、おい！」

宏「伊野尾慧くんへ…って、これ伊野尾宛？
しかもA組のモブ谷じゃん。
なんでお前が？」

光「清掃のとき、そいつから伊野ちゃんに渡すように言われたんだよ」

宏「なんでまだ渡してないの？」

光「だって…」
好きな子に他のやつの手紙なんて渡したくない。

宏「えい」

ビリビリビリッ

光「は、薮、お前何して…！？」
あろうことか手紙を手で引き裂き、丸めてゴミ箱に投げ入れた。

宏「どうせ渡したくないんだろ？」

光「そうだけどさ、一応モブ谷くんの気持ちも込もってるし…！」

宏「光は優しいな。
俺、伊野尾を狙うやつは容赦しないけど光は可愛い弟だからなんもしないって」
薮の目を細めた笑顔からは狂気を感じる。
頭を撫でんじゃねぇ。

ガチャッ！

大「薮ちゃん光くん、手伝いにきたー…
って、何してんの？」
救世主かよ！

大ちゃんにも伊野ちゃんにも、手紙のことは黙っておこう。