スクールデイズ（3） (ページ20)

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周りの諸事情ページ20

arok side

まだ心の中で葛藤しているけど、トイレの個室に入った途端光くんが封筒を開ける。

光「シールついてないからバレないな(笑)
ほら、見ろって」

大「えぇー、でもぉー…」
渋ったけど、反抗むなしく親友宛のラブレターに対する好奇心の方が勝ってしまった。

『伊野尾慧くんへ
初めまして、2-Aのモブ谷モブ男です
突然のお手紙驚いたよね
率直にいうと、君のことがすごく気になっているんだ
今日は塾なしで部活行くんだよね？
部活の後、生徒会行く前に体育館横に来てほしい
伊野尾くんのこと、待ってるから』
綺麗な手書きの文字からも、真剣さが溢れていて眩しい。

光「なにコイツ、初めましてのくせになんで伊野ちゃんの行動さりげなく把握してんのキモッ」

大「男、のそういうやつ初めてみた…。
しかも伊野ちゃんにラブレター…」
俺が髙木のことを好きなように、男が男に想いを寄せるケースってホントにあったんだって少し安心した。

光「伊野ちゃんってさ、やっぱ可愛いからモテるよな」

大「でも、中学校の頃女の子に嫉妬されることはあっても告白は…！」

光「同性にだよ！
オ、ト、コ、に！
あぁー、絶対タマも伊野ちゃん狙いだって…」

大「そうなの！？
タマが！？」

光「大声出すなって！
絶対周りには内緒だからな」

大「光くん…」

タマのこと、応援してるんだね。

大「うん、絶対言わない！」

確かに、伊野ちゃんは小学校の頃から女の子顔で、大きくなっても綺麗になった気がする。
ずっと一緒だからあまり気づかなかったけど…。

伊野ちゃんは以前男が好きだったことにトラウマがあるからなかなか難しいと思うけど…。
俺も親友として幸せになってもらうためにどんな恋でも応援したい。
もし、伊野ちゃんに好きな人ができたらの話だけど！

光「そろそろ教室戻るか」

ガチャッ
と個室の扉を開けると、洗面台にニカと千賀。

とっさに離れたけど見てしまった。
二人がキスしていたのを。

千「えっ、ちょっ、はっ？」

ニ「なに、お前らもそういう関係だったの！？」

大「お前ら“も”！？」

光「待って、違っ…！」

ニ「いいよいいよ、お互い黙っとこ、な！？」

千「ね、お願い！
教室帰ろうニカ」
二人はバタバタ走ってトイレから出て行った。

あれ、なんかすごい状況だったけど、もしかして結構大変な勘違いされたんじゃ…。

って、ニカと千賀、そういう関係だったんだ！

光「あー、めんどくせー…」

光くんが隣で頭を抱えてしゃがみ込んだ。