スクールデイズ（3） (ページ11)

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僕らマイペースページ11

ino side

俺のバディは玉森くん。
隣の席だけど、お互い他人に干渉しない性格のためか普段はあまり話さない。
人見知りではないんだけど…。

慧「よろしく」

玉「うん、よろしく」

慧、玉「……」

会話はそれっきり。
今までは、間によく喋る大ちゃんや光がいたけど、二人きりになると少し気まずい。

そんな中、ダンス早覚えで俺も玉森くんも早々に脱落し、大ちゃんも残り時間半分くらいで抜けてきた。

千賀くんは、全て振りを覚えて完璧に踊った。

大「やっべー、俺のバディ！
千賀ダンス得意って言ってたもんな！」

玉「いいなぁ…」
玉森くんが横でポツリと呟いた。

慧「…何が？」
話しかけてみた。

玉森くんは少し驚きながらも、話してくれた。
玉「俺、歌うのが好きで入ったものの、人前はそんなに好きじゃないし、運動もできる方じゃなくてさ…。
周りはどんどんグループに加入してんのに、俺全然動けなくて。
特技があるって、羨ましい」
夢を追いかける生徒がほとんどで埋もれてたけど、意外と身近にも悩んでる人がいたなんて。

慧「俺はね、入学の動機なんて全くこの学園に関係なかったんだ。
グループだって、正直大ちゃん達に流されて加入したようなもんだし。
けど、ある先輩の助言で最近楽しめることを探すようになったんだよね」

玉「楽しめること？」

慧「うん、例え流されてばかりでも、意外と見つかるもんだなって気づいた。
だから、玉森くんもきっと大丈夫だよ。」

玉「伊野尾くん…。
実はね、隣で見てて伊野尾くんが時々悩んでるの気づいてたんだ。
悩んでるのって俺だけじゃないと思ってずっと抱え込んでた」

慧「あー、人に心配とかされたくないんだよね、分かる分かる」

玉「あと、けっこう周りに振り回されてもなんだかんだ悪い気はしなかったりさ！」

慧「それも分かる！
別に人が嫌いな訳じゃなくて、自分から近づかないだけ！」

玉「そう、来るものは拒まずみたいな！

…なんだ、俺らあまり話さないだけで似た者同士だったんだ(笑)
改めてよろしく、伊野ちゃん！」

慧「こちらこそ、タマ！」

玉「ちょっとそれ猫っぽい。
あ、動物好き？
この間犬の図鑑読んでたよね？」

慧「うわ、バレてた？
好きだよー」

玉「今度気になる部活あるから、一緒に見学しない？
動物愛好部っていうんだけど」

慧「飼育係的なやつ？
行く行く！」

翔「そこ、さっきから私語してないでちゃんとお手本見とけ！」

慧、玉「はーい」