おとぎの国で (ページ44)

今日:20 hit、昨日:2 hit、合計:17,876 hit

43話ページ44

ｴｰｽ「あ、そればーちゃんにきいたことあるかも、すっげー昔の魔法道具っすよね？」

ｸﾛｳﾘ「すっげー昔というほどでも……ゴホン」

ｸﾛｳﾘ「確かに、君のひいお祖母様か、ひいひいお祖母様が子供の頃に発明されたものかもしれません。」

『めちゃくちゃ古いってことですよね』

ｸﾛｳﾘｰ「ま、まあこのカメラには特別な魔法がかけられていて、被写体の姿だけではなく、魂の一部をも写し取ることができるのです」

「魂の一部……？」

ｸﾛｳﾘ「メモリーとも呼ばれています。そしてこのカメラの面白い点は、撮影者と被写体の魂の結びつきが深くなると、写真に写された《メモリー》が飛び出してくるところです！」

『飛び出してくるってどういうことですか』

ｸﾛｳﾘ「撮影者が被写体親しくなることにより写真が動画のように動いたり、実体をともなって抜け出したりするようになるんです。面白いでしょう？花音くんにも教えて上げてくださいね」

『わかりました。でもとびだしてくるって、ちょっと怖いかも…』

ﾃﾞｭｰｽ「まるで心霊写真じゃないですか！」

ｸﾛｳﾘ「ええ、だからゴーストカメラと呼ばれてたそうです。まだ動画もない時代、より鮮明に思い出を残すために開発されたものらしいですが……スペードくんの言うとおり、昔の人は飛び出したメモリーを見て「ゴーストだ！」と驚き、このカメラで写真を取られることを非常に恐れたんだとか。」

ｴｰｽ「なんか人騒がせなカメラだな……」

『ほんと人騒がせだね〜』

ｸﾛｳﾘ「Aくん、貴方と花音さんは、このカメラでグリムくんや他の生徒たちを撮影し、学園生活の記録を残してください。」

グリム「らんららん🎵オレ様がカッコがかっこいいところじゃんじゃん取るんだゾ〜🎵」

『可愛いところをたくさん取るね！』

ｸﾛｳﾘ「特にああいうお調子者が悪さをしたときには必ずメモリーを残しておくこと。私への報告書代わりにうってつけでしょう？監督生としてしっかり周りに目を光らせ記録を取るように！花音くんにも言っておいてくださいね。」

『はーい！』

ｸﾛｳﾘ「魔法士でなくとも使える希少な魔法道具を気前よく渡すなんて…わたしの優しさ天井知らずじゃありません？」

『たしかに優しいですね〜』

ｸﾛｳﾘ「もっと心を込めていってくださいよ…さて、今日はもう遅い、詳しい話は明日にしましょう。もう寮に戻りなさい」

ﾃﾞｭｰｽ「では、失礼します。」