MER【危機編】-弦巻side ページ3
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「この状況で、どう落ち着けって言うんですか！」
喜多見チーフの胸ぐらを掴む勢いの音羽先生は、いつもの冷静さを欠いた様子で額には汗が滲んでいる。エリオット椿からの爆破予告があり現場に出動していた私たちに届いた、新たなメッセージが原因だ。
喜多見チーフを絶望させるために、妹の涼香さんが標的になったのはつい先日のこと。傷も癒えぬ内に更なる爆破予告をしてきた椿という男は、本当に性根が腐っているとしか思えない。
椿との通話中に届いたメッセージには、ある動画が添付されていた。喜多見チーフが中身を開いた瞬間、私の隣で音羽先生が息を飲んだ。喜多見チーフから携帯を奪い取った彼は、画面を砕く勢いでそれを握りしめる。
「夜衣……？どうして……」
音羽先生の悲痛な声は、私たちの胸に苦い疼きを残す。……彼の最愛の恋人である夜衣先生は、椿の腕の中にいた。
「音羽先生、落ち着いてください」
「この状況で、どう落ち着けって言うんですか！あなたの所為で、……っ、すみません」
やり場のない気持ちを、わなわなと拳を振るわせることで押し留める音羽先生を見て、その心の内を慮る。……夜衣先生が、椿の手に落ちた。椿の腕に抱かれて気を失っている夜衣先生と、彼女の首で煌めく、見慣れないネックレス……皆の頭の中に、最悪の結末が浮かぶ。
『____誰にでも優しい夜衣先生……頭が良くて器量良し。こんなに魅力的な女性、中々出会えるものではありませんね。──ねぇ、音羽先生？』
「お前ッ！夜衣に、」
『____安心してください。今はただ眠っているだけです』
椿の指先が、夜衣先生の髪を梳く。その瞬間、音羽先生の奥歯がギリッと強く噛まれる音がした。
『____察しの通り、これは爆弾です。小型ですが、首を吹き飛ばすくらいの威力はあるでしょう。早く見つけてあげてくださいね』
「……ぶざけるな」
『____これとは別に、新たな爆弾も仕掛けて罪なき多くの人々を殺害します……私は喜多見先生にわかってほしいだけなんです。──世の中は、不条理だって』
椿との通話が切れた。夜衣先生が人質となってしまった音羽先生は、「クソッ！」と吐き捨てると近くの椅子を蹴り飛ばす。……どうしよう。早く夜衣先生を助けないと……！
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雪だるま - こんばんは！陰ながらいつもずっと見ています！この今の状態は「連載中」でいいのでしょうか？それとも別のページに移行したのでしょうか？誰か教えてくれると嬉しいです😭 (4月6日 20時) (
レス) id: ce15b7aa5d (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - こんばんは！！無茶苦茶面白くて楽しく拝見させていだだきました！無理せず頑張ってください！応援してます！ (3月10日 0時) (レス) @page30 id: d0d734f654 (このIDを非表示/違反報告)
ほたてて(プロフ) - 賀来賢人さん大好きなので、すごく嬉しくて一気に読んでしまいました！！ (1月28日 12時) (レス) id: f0e685072c (このIDを非表示/違反報告)
璃央(プロフ) - いつも楽しく拝読しています！夢主ちゃんが可愛すぎて私も虜になってしまいました笑もしまた機会があればこういった感じのお話で吉沢亮や佐藤健のバージョンも見てみたいです…！これからも陰ながら応援しております！ (1月28日 2時) (レス) @page2 id: 8bbcfff603 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月 | 作成日時：2024年1月26日 22時
