35。竜の蹄 ページ38
Aは竜の蹄の名を聞いた時、シンの瞳がかすかに揺れるのを垣間見た。事実、シンも実はその蹄の痕を持っている。
Aの薬でほとんど薄れて、今ではじっくり見ないとわからないまでに薄れた傷。
実はシンは1度天竜人に買われている。観賞用にしようにも痩せこけていたし、力もない。魔法を扱えると聞いたがその兆しも見せない。
そんなシンに飽きた天竜人は、またすぐに売り飛ばしたのだが。
シン「…ご友人にはこうお伝え下さい。その傷は確実に消え去ると。」
一言告げたシンはバサリとシャツを脱いで背中を見せた。
薄らとそれを目視した蛇姫の顔はみるみるうちに血の気が消えていくのが分かる。
『なんだ、あの傷の話か。治る治る。細胞の代謝を促進させる薬を私は持っている。ご友人に差し上げると良い。
なんだ、泣いてるのか？』
ーー蛇姫sideーー
島に飛び込んで来た厄災の魔女。話を聞くに敵意は殆ど無さそうだ。
しかしわらわもこの国を統べる者。おいそれと許しては示しがつかない。
そんな堂々巡りの会話の最中、魔女は薬の提案を持ちかけた。正直わらわにも消したい痕や過去はある。
女が傷を持つべきじゃないという話には、不覚にもキュンとしてしまった自分がいる。しかしこの者と話をしていると落ち着くのも事実。
わらわは自分の中でこの者の存在を認め掛けていた。
そんな中で部下の者が思いがけぬ行動をした。あろう事かこのわらわにあの忌々しき蹄の痕を見せた。
決して許せぬ思いが、忘れられぬ記憶が浮かぶと同時に、その傷の薄さに驚いた。
あれでは殆ど傷もないと同じではないか。
そしてわらわは彼が囚われていた事も理解した。
出来るなら、その痕を消し去って…。魔女よ。そなたと1度話をさせて欲しい。
そなたにはこの世界とはまた別の世界に居る人物の様に感じる。ならばこの胸の内を話して楽になりたい。
そう、助けを求めてしまう。
ーー蛇姫side endーー
その後Aは薬を渡し、玉座の前を後にした。
その夜、蛇姫と酒を飲む約束をして。
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目口じびか(プロフ) - 九尾 シヨさん» いえいえこちらこそ！数が少なかったので作りました！欲望のままに書いてます！！ありがとうございます！！がんばりまーす！ (2019年7月8日 0時) (
レス) id: dfd06f89d6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 シヨ(プロフ) - すごく面白い作品ですね！ ハリーポッターとワンピースのコラボみて見たかったのですごく嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2019年2月22日 16時) (レス) id: 68aec8586a (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - Mayaさん» Thanks you !! (2019年2月19日 1時) (レス) id: dfd06f89d6 (このIDを非表示/違反報告)
Maya - I love it (2019年2月18日 23時) (レス) id: 63b96624ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じびか | 作成日時：2019年1月31日 22時
