10。羞恥心は多分無い。 ページ11
少年は話を聞くのが楽しいようだ。所々出てくる魔法というワードが特に好きなようで、ウンウンと首を縦に振っている。
『じゃあ浴槽の説明だけどそこの鏡の前にあるのがシャンプー、コンディショナー、ボディソープ。それから洗顔ね。
全部ハーブから作られてるし、身体にもいい。
んで、あっちに風呂桶と風呂椅子。タオルカゴはここね。
で、服脱げる？恥ずかしいならカーテンの奥に行ってるけど。』
恥ずかしいだろう。お姉さん知ってるよ、年頃の男の子だもんね。私も初対面の女にマッパになれって言われたら流石に引くわ。
シン「いえ、大丈夫です。」
羞恥心など無かったようだ。
バサリと服を脱いだ少年の体は見るも無残だった。
と言うより細っ、もやしかよ、爪楊枝かよ、水で戻す前の切り干し大根かよ。
肉のない体は肋骨が張り出し、大量の鞭の痕。火傷の痕。引っかき傷の様なもの。腹部にある手術跡からは腎臓も恐らく片方しかない。
確かに腎臓は売れば高い値段で取引されると思うので売られている可能性は考えていた。
他にも切り傷。刺傷。銃創と、まぁ怒涛の傷跡。傷跡スタンプラリーなるものがあれば埋まってる。太●の達人で言えばフルコンボだドン。
どれも治療は曖昧で、自然治癒か？と言った感じだ。背中にある床擦れのあとも痛々しい。
しかしAの作った薬草はこれら全ての傷跡に効く
万能の塊である。
『しみると思うが、我慢しろ。直ぐに楽になるからな。』
そう言って少年を湯船へと押し込んだ。
ーーーー
さて、彼が風呂に入っている間に記憶を見ることにしよう。
ふわふわと中に浮かぶ銀のボウルに糸を垂らし、顔を突っ込んだ。
見えた世界を一言で形容するのならば正しく
生き地獄 だろう。
見たのはここ3年間だけだが酷いものだった。
硬くなったパンや、汚い水。時には皿を使いたくないからと直接フォアグラのように流し込まれた時もあった。
眠る場所は床で、寒い冬も薄い布を1枚被って眠る。
Aにはとても考えられない世界だった。
可哀想な少年の記憶を見てAは、今からホカホカのご飯と味噌汁、ふわふわのベッドを与えてやろうと心に誓った。
シン「先生、上がりました。」
カーテンの向こうから声が聞こえる。
シン「あの。」
『ん？何？』
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目口じびか(プロフ) - 九尾 シヨさん» いえいえこちらこそ！数が少なかったので作りました！欲望のままに書いてます！！ありがとうございます！！がんばりまーす！ (2019年7月8日 0時) (
レス) id: dfd06f89d6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 シヨ(プロフ) - すごく面白い作品ですね！ ハリーポッターとワンピースのコラボみて見たかったのですごく嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2019年2月22日 16時) (レス) id: 68aec8586a (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - Mayaさん» Thanks you !! (2019年2月19日 1時) (レス) id: dfd06f89d6 (このIDを非表示/違反報告)
Maya - I love it (2019年2月18日 23時) (レス) id: 63b96624ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じびか | 作成日時：2019年1月31日 22時
