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「………アリス」

『……なに?』


 今日は休日。特に外出などする気も起きず部屋で一人読書していると、桜哉が来た。

それから数分沈黙が続き、耐えきれなくなったのか、あちらから話し掛けてくる。


「…昨日、真昼にさ。

オレに隠していることはないかって、……オレに、嘘を吐いてないかって聞いたんだ。

そしたら、何でもないって言われてさ」

 昨日の「気分が悪くなった」っていうのは、それが原因か……。貴方は嘘が嫌いだものね、と頭の中だけで小さく呟いてから、話の続きを促す。


「やっぱり、オレは真昼に信用されてないのかな……なあ、教えてくれよ…

真昼に嘘を吐かれて、

オレも真昼に嘘を吐いてる。

……こんなんで、
オレは、本当に真昼の友達だって言えるのかな」


 うつむいて言う桜哉の声は震えていた。表情が見えなくともそれがどんなものか予想が出来てしまう。そして彼が求める言葉も。


『……私にはわからないよ』

 しかし、私はそんな言葉を、救いの言葉を掛けてやるほど人が出来ていない。

「っ……!」

『だって、私は城田くんじゃない。それに、城田くんなら答えを出せるよ。……こういうことは、本人に言うべきじゃないかな』

 ………まあ、救われたいなら自分で手を伸ばせと暗に語るぐらいの気遣いは出来るが。

「そっ、か………ありがとな」


『……どういたしまして』


少しだけ和らいだ表情をして、桜哉は部屋を出ていった。




上手く、いきますように。

二人が、友達でいられますように。





私は一人祈る。これは二人の問題で、私には祈るくらいしか出来ないから。





いつだってそうしてきた。


私はいつだって、祈ってばかり。

自分じゃ行動出来ないくせに。




嗚呼、お願いです。

どうか、どうか________





私に出来ることを教えてくれませんか?






“お母さん”___________

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孤春 - いいね(*^^*)できれば鉄とか椿さんとかがいるとこがいいな*\(^o^)/* (2016年1月1日 18時) (レス) id: e9b4d09706 (このIDを非表示/違反報告)
グラディウス(プロフ) - 孤春さん» 二次元(((殴 (2015年12月29日 14時) (レス) id: 0ed2aa70e4 (このIDを非表示/違反報告)
孤春 - 式は、どこにする?www (2015年12月29日 12時) (レス) id: c7607bdc8c (このIDを非表示/違反報告)
グラディウス(プロフ) - 孤春さん» 今すぐ結婚式を挙げよう(真顔) (2015年12月29日 10時) (レス) id: 0ed2aa70e4 (このIDを非表示/違反報告)
孤春 - ファイルが2個あるんだげど、もう片方に御国さんいるよ^_−☆ (2015年12月29日 1時) (レス) id: b5aa87727c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グラディウス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/guradius1  
作成日時:2015年3月14日 21時

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