月と銃声２【SERVAMP】 (ページ8)

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プリン・ア・ラ・モードページ8

「……それは残念だったね！でもほら、今日はもう帰りなよエリーゼちゃん」
「え？でも」
「俺も探しておくからさ。エリーゼちゃんはゆっくり休んで」

　ぱっと表情を変えて明るく話し出す吊戯に、強く違和感を覚えた。御国が時々見せる雰囲気と、よく似ているからだ。

「吊戯さん、大丈夫ですよ」
「へっ？」

犬猿の仲で出会い頭の挑発は当たり前、どころか交わす言葉全部に悪意の二人。
本人たちに言ったらとんでもない勢いで怒られること確実だが、彼らはよく似ている。似て非なる、水と油。

「本当のことは私が自分で見つけます。事実を受け入れる覚悟は出来てますよぉ」
「……そっか」

じゃあ私はもう少しだけ探して行きますねぇ、とまた資料室に入る。吊戯は何も言わなかった。

「………」

あの様子からして、もしかしたら吊戯はもう母のことを知っているのかもしれない。御国もだ。
聞いたとしても教えてはくれないだろう。ごまかされて終わるのがオチだ。
だから。いや、そうでなくとも。

　母が私たちを捨てた理由。それは自分で見つける。

「知らない方がいいと思うんだけどなあ……」

資料室の扉に寄りかかったまま、吊戯は小さく呟いた。