月と銃声２【SERVAMP】 (ページ2)

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スイートポテトページ2

青いキャスケット、クリーム色のセーターに赤いリボン。今の時期はショートパンツ。季節によって変わる部分もあるけれど、大体がこの服装だ。服にお金をかけるより、そのお金でいくつお菓子が買えるかの方が重要なのだ。それに、服に気を遣ったところで気に留める人など周囲にはいない。だから結局、私には意味が感じられないのだ。

「たまには違う服も着ますよぉ。潜入任務とか」
「…そういや、君も時々C3に協力してたねえ。合理的な思考はボクも好きだ。御国もそこだけは評価できるね！」
「そこでわざわざ御国さんの名前をだします？ほんっと仲悪いですねぇあなたたち」

　目的が一致してるときは別人みたいに意気があうのに、とこぼして、それなら私だって同じか、と納得した。どうやら別に問題はないらしい。

「まあ、ちゃんと然るべきときに役に立ってくれればいいですけど」
「心配は無用！ボクを吸血鬼たちの真実に近づかせてくれるのなら！！」
「それで十分です。それじゃ、私は失礼しますねぇ」

明るい返事ともに追いかけてくるのは、じゅわぁ、という何かが溶ける音と焦げついた香り。今日はまたうるさくなりそうだ。落ち着いて作業できるのは今のうちだろう。

　部屋に戻って、机に向かう。ガムを口に放り込んでノートを取り出した。色とりどりのマカロンが踊る表紙には、ドイツ語で『試作ノート』の文字。もちろんお菓子ではない。今までに作り上げてきた武器たちの生まれる過程が全てこのノートに記されている。魔術と科学を組み合わせて作るそれらの一部は、御国の店でも売られている。

「…まず補給したいのは、ええっと？キャンディボムですかねぇ。使いやすいですから」

　シリコン型を出して魔力を練る。あの三人のうち二人はいつも武器を使っているが、私は自分で魔力をコントロールするのが得意だ。…ちなみに吊戯の場合は別である。あれは何でもこなせるように仕込まれているから、私達とは比べようもない。
手元に意識を集中させ、作業を進める。この作業のひとつひとつに、自信の命がかかっていたっておかしくないのだ。