6 ページ8
シャワールームから出てみると片隅に置かれているバスタオルと大きいシャツ。バスタオルで体を頭を拭いてからシャツを手にとった。これは…恐らく着ても肩に引っかからないで下にストンッと落ちてしまいそうだ。
実際に着てみると予想通り、襟元が大きすぎて肩に引っかからない。周りを見ても何もなかったので、諦めてそのままシャワールームを出た。本当に大きなこれ…裾が床についてるよ…
リビングに行ってみると、降谷さんはパソコンを開いてカタカタとキーボードをたたいていた。仕事だろうか。声をかけるか悩んでいると降谷さんが私に気付き、近寄ってきた。そしてひょいと抱き上げられる。
「まったく…まだ髪が濡れてるじゃないか。ちゃんと拭かないと風邪引くぞ」
「え?…あぁ」
髪の毛の先から小さな滴がぽたりと落ちた。結構頑張って拭いたのだが、ダメだったらしい。降谷さんはソファまで行くと座り、私は足の上に置かれた。そのまま肩にかけていたバスタオルで髪を拭かれる。
優しく、髪を撫でられるように拭かれて少し眠くなってくる。毛先もタオルで水を吸うようにギュッと握るように拭かれ、凄く丁寧に拭かれていることが分かった。髪は女の命っていうからなぁ…それを気にしてんのか?降谷さん。畜生イケメンめ。
「…降谷さん、もっとガッシガッシ拭いていいんですよ?疲れるでしょう、その拭き方」
「Aはもうちょい自分の髪の毛を大事にしろ。せっかく綺麗な髪なんだから」
終ったぞ、と降谷さんに撫でられる。その手つきすら優しくてちょっと照れる。
この人本当にイケメンすぎませんかね…
降谷さんは私の髪の毛を指でいじっている。軽く梳いたり少しだけ持って匂いを嗅いだり。
ほんっとうに恥ずかしいからやめてくれないかな…
「サラサラだし…良い匂いだな」
「…あ、そうだ。降谷さんってシャンプーリンスどうやって決めてるんですか?」
「決めてる?」
「なんかお高いやつっぽかったんで…」
降谷さんは思い出すように「えーと」と声を漏らす。その間ずっと私の髪を梳いてる。何かが気に入ったのだろうか。
「…高くも安くもないやつを買ってるな」
「あぁ…安いと300円くらいで買えますもんね。高いと4000円はいくか…」
「これと言って決めてるわけじゃないが…今回のは3000円くらいか?リンスとシャンプーで6000円か」
「それは高くも安くもないじゃないです。高いです」
拘りじゃなくて適当だったよ。
576人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねるねるねるね(プロフ) - すごい好みの小説です!即お気に入りしました!更新楽しみにしてます!頑張ってください!(o^^o) (2018年5月23日 0時) (レス) id: e6eb4025e0 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年5月3日 8時) (レス) id: a929515178 (このIDを非表示/違反報告)
夕夏(プロフ) - この小説大好きです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2017年8月23日 0時) (レス) id: 063fb69e80 (このIDを非表示/違反報告)
はるき - とても面白くて一気に読んでしまいました。更新頑張ってください! (2017年8月22日 13時) (レス) id: d7726ccc6d (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので無理せず更新頑張ってください。楽しみにしてます!お買い物で普段とは違う降谷さんが見れてうれしいです! (2017年8月16日 19時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ