出会い 序章 ページ2
意識が浮上したころには、既にどこかで倒れていた。目を開けるのが億劫なほど体がだるくて痛い。地面が堅くて少し肌寒いところからここは外だと理解する。起き上がるのもだるくてそのまま寝そべっていると、走ってくるような足音が聞えた。
急に浮遊感が襲い少し驚く。ぼんやりと目を開けると、安堵したような男の人の顔が見えた。
待って、私この人知ってる。
その人物に驚いていると、男の人が口を開いた。
「意識はあるな、良かった。迷子か?というか、着ている服大きくないか?どこかの制服か?」
褐色肌に色素の薄いサラサラな髪、整った顔を持つこの男は…間違えるわけがない。
安室透こと、降谷零。
着ている服がスーツということは、今は公安の姿ということだろうか。
「大丈夫か?喋れるか?」
「ぁ…はい」
私がしゃべると、安堵したように息を吐いた。
にしても、降谷さんに抱えられているということは私の体は小さくなっているのだろうか。おいおい、APTX4869を飲んだわけでもないのに…
自分の身体を確かめるように手を見つめる。さっきより一回りほど小さくなった手を見つめ、小さくため息を零す。面倒くさいことになってしまったようだ。これからどうしようか。
独り悩んでいると、降谷さんに声をかけられた。
「こんな夜遅くに、一人で何をしていたんだ?倒れていたし、具合でも悪いのか?」
「い、いえ…そういう訳ではなくて…えっと…」
口ごもる私を見て何か事情があると察したのか、私を抱えたまま家に入っていく降谷さん。どうやら家に上げてくれるようだ。ってかここ降谷さんのご自宅だったんですね…
降谷さんは私をソファに座らせた後、机を挟んで向かいに座った。こういう小説みると、大体黒の組織と疑われるんだけど…子供だから油断してるのか?いや、降谷さんに限ってそれは無いか。
「…さて、君はいったい何者なんだい?」
はい、尋問タイム来ました。まぁそりゃそうなりますよね。見知らぬ女(子供)が家の前で倒れてるんだもんね。そして完璧なにか事情ありげだもんね。なにか隠してる怪しい子供になるよね!
でも、なんて答える?何者?トリップしてきた場合なんて言えばいいのだろうか。トリップしてきました?いや、会話のキャッチボールができていない。この世界の人間じゃないっていうには…
「………………い、異人?」
「…はぁ?」
あ、はい、そうですよね。
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ねるねるねるね(プロフ) - すごい好みの小説です!即お気に入りしました!更新楽しみにしてます!頑張ってください!(o^^o) (2018年5月23日 0時) (レス) id: e6eb4025e0 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年5月3日 8時) (レス) id: a929515178 (このIDを非表示/違反報告)
夕夏(プロフ) - この小説大好きです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2017年8月23日 0時) (レス) id: 063fb69e80 (このIDを非表示/違反報告)
はるき - とても面白くて一気に読んでしまいました。更新頑張ってください! (2017年8月22日 13時) (レス) id: d7726ccc6d (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので無理せず更新頑張ってください。楽しみにしてます!お買い物で普段とは違う降谷さんが見れてうれしいです! (2017年8月16日 19時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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