Episode154 ページ5
ビィとルリアに襲われるサンダルフォンを見て、Aは思わず吹き出す。
「っはは!」
「おいA…笑ってないで助けろ!」
「そうだな。ビィ、ルリア。お土産はご飯の後にしよう。早めに戻ってこれたから色々買ってあるよ」
「わーい!」
「そうだな!」
ふたりからサンダルフォンを開放し終えると、グランがA達のもとへやってくr。
「お疲れさま。早かったね」
「サンダルフォンが随分と手伝ってくれたよ」
「さすが、天司長様だね!僕の華奢な指とは大違いだ」
「ぐ…おい団長…あれは反省している」
「うわぁ…団長が一番根に持ってるな」
「そういえば、ハーマーは森で住むことにしたみたいだよ。どうやら行違ったみたいで今オイゲンとアズ、カリオストロが向かってるって」
「そうか…それはよかった」
「ウリエルから聞いたのは、サリエルも目を覚ましたって。一応ラファエルもついてるけど…ベリアルに羽を取られたおかげか、あんまりひどくなかったみたい」
「っはは、この調子だとまた蟻でも見てそうだ」
「それで、今から連合の面々がそろって食事会をするから行こうと思うんだ」
グランはAを伺いつつ、話をする。
「来いってことだな」
「うん、だって二人が今回の功労者だしね」
「サンダルフォン、どうする?」
「断る理由もないだろう。珈琲でも飲んで食事をすればいいさ」
「それじゃ、シェロに連絡するね!」
嬉しそうに走っていくグランにAは苦笑いする。
「さて…そろそろ部屋に戻るか」
「そうだな」
互いに部屋まで戻る。Aはルシフェルの剣を抜き、机に立てかけるとベッドに寝転ぶ。
「…このままずっと、衝動に囚われなきゃダメなのかな」
人間に剣を向けた瞬間、壊せ、殺せと声が響いていた。その言葉に逆らうことも抗うこともできず、サンダルフォンがいなければ振り下ろしていた。Aはその事実に恐れていた。
「はぁ…」
何かを考えていたはずだったが、Aの意識はそのまま沈んでいき、眠りにつくのだった。
「お〜い!」
「はぅ…Aさん、扉壊されたの忘れて眠っちゃってます…」
「Aって案外、神経図太いんだなぁ…」
声をかけても起きないAに、ルリアとビィは苦笑いする。食事会に誘われたため着替えようとなったが、Aに服を渡す段階でAが来ないことに気が付くのだった。
「せっかくサンダルフォンさんも着替えたのに…」
「なんかグランが本も渡してたしな!」
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月22日 16時