Episode162 ページ13
パーティーの開けた翌日、Aは船で寝込んでいた。
「あはは…昨日は何時間も踊ってましたもんね…」
「綺麗だったけどな!オイラ、あんな綺麗なもんは初めて見たぜ…」
「私もです!きらきら〜ってして、ふわふわ〜って!」
あの後、音楽は一向にやまず、そのまま気づかずに踊り続けたAは終わったころには意識がなくなりかけており、そのままサンダルフォンが抱えて船に戻って来る事態となった。それから疲労で寝込むAは昼過ぎになっても気持ちよさげに寝息を立てるのだった。
「…あれ?船は…」
ルリアの指さす方を見ると、小型艇が近づいてきていた。敵かと警戒すると、中から現れたのはイルザであった。
「やぁ、団長達。少しお願いがあってきたんだ」
「どうしたの?」
「ミカエル殿に話をしたくてね。どこにいるかわからないか?」
「う〜ん…サンダルフォンさんは今はいませんし、Aさんは寝てますし…」
「そうか…」
気を落としたイルザに、グランは一つの提案をする。
「起こしてくるから、一緒にAと行ってきてくれない?」
「一緒に…?構わないが、なぜだ?」
「A、ミカエルと仲がいいけど昨日のパーティーで会えてなかったし、最近元気なかったし…ついでに、扉壊したのも請求したいから!」
「そ、そうか…では、そうしよう」
半ば驚き気味で承諾したイルザ。Aの部屋に行くと、扉がない事に気が付き、その犯人がミカエルであることにようやく理解するのだった。
「Aさ〜ん、お客さんです!」
「ん…?」
もそもそと起き上がったAに、ビィは飛び込む。
「な、なんだよ…」
「イルザさんがミカエルさんに会いたいんだそうです!探してもらえませんか?」
「ついでに、君も一緒に来ていただけると助かるんだが」
「ん〜…?」
寝ぼけて容量の得ないAに、グランが頬をつまむ。
「いひゃい!はへろ、だんひょ!」
「はは!Aもこうなっちまうと、ただの人間だなぁ」
「ってぇ…」
ようやく目を覚ましたAはグランを睨み付けつつ、イルザの話を聞くのだった。
「で…ミカエルに会いたいと…」
「あ、あぁ…頬は大丈夫か?」
「一応天司なんで…たいていの傷は治るさ…おい団長、あまり笑うんだったら二度とお前には珈琲いれてやんないぞ」
「え!?ご、ごめん!」
「あはは…」
「随分と笑うんだな…少し前は印象になかったが…」
「あ、そういえばそうですね!」
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月22日 16時